第135話 調理
店に出る徹を
徹の部屋から見る
どこに居ても、やっぱり徹さんは
素敵だ…
そうだ!
今日の、夕食は、徹さんのために
ナスの味噌炒めを作ろう!
徹さんが、気を失いかけた私を
車で送ってくれた日の夕食で、徹さんが、「うまい!」と言ってくれたメニューだ。
秋ナスは、特にうまいのよね。
嫁に食わすなという言葉もあるくらいだもの。
でも、この言葉、全く失礼しちゃうわよね。
愛子は、足速に台所に向かう。
いつもなら、存在を無視している母が珍しく声をかけてくれる。
「何が、必要かしら。
必要なものがあったら
言ってくださいね。
出しますよ。
愛子さんは、大切な山田家の
嫁だからね。」
今?嫁って言ってくれた?
私のことを…
愛子は、うれしくて、涙ぐむ。
家族が、徹さんが帰ってから
優しい。
やっと、嫁扱いされた…
「あっ、そうそう。ご飯
今夜からみんなで食べましょう。」
「いいんですか?」
愛子が涙ぐむ。
「ヤダ。愛子さん。今朝も徹と仲良く食べてたじゃない。もちろんですよ。愛子さんは、大切な人なのだから!」
母が初めて、私に笑いかけてくれた。
愛子は、とても嬉しかった。
「ナスをいただきますね。
徹さんの好物なので…」
母の顔がひきつる
「徹は、ナス好きだったかしら?」
母は、徹はそんなナス好きではないと認識している。夏野菜なら、トマトの方が好きだと思う…
そこに、徹さんのお姉さんが加わる
「楽しそうだぬ。
私にもてつだわさせて。」
とニコッ。よく見ると、顔の造りが
徹さんに似ている。
「どうぞ。」楽しい夕食の支度だった。こんな夕食作りがしたかったのだ。愛子は、幸せだった。
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