金切り姫・冷宮でスローライフ
らくしゅ
第1話 お手付き無しでお払い箱
「ひめさま」娃鈴が、慌てて助け起こしてくれた。原因を作った宦官が、震え土下座している。
ここは皇帝の後宮・余多いる貴姫のひとり奏麗華が、わらわである。
14才で後宮に入り早2年 此度 政権争いに負けた奏家当主の失脚に伴い一族は追放・後宮に居る わらわと従姉妹は、廃姫となり冷宮に送られる。
通達に来た宦官を癇癪を起こし扇で殴ろうとして転倒。見事額を卓の角にぶつけ意識を失っていた。
侍女の娃鈴が、わらわを呼ぶ声が、遠くから聞こえていたが、頭の中で廃姫・冷宮送りヤバいじゃん。3時の楽しみだった骨肉どろどろ宮廷ドラマのあんなシーンやこんなシーンが、甦る。
既にわらわに媚びていた宦官達は、さっさと居なくなり貧乏くじを引いた下級宦官が、怯えながら廃姫を告げに来た。5人居た侍女達も消えてる。
金切り姫 わらわの異名だ。
癇癪を起こし叫ぶと皆が、耳を塞ぎ気絶する者もいる。
好きでここに来た訳ではない。奏家当主の父が、戦で亡くなり跡継ぎのわらわを無視し伯父が、さっさと当主の座に付き・気が付いたら母は、伯父の第6婦人になってわらわは、後宮に従姉妹と献上されていた。
全てに腹立たしく事が、あれば金切り声を上げ癇癪を起こしていた。
付いたあだ名が、金切り姫。実際最大ボリュームで、宦官を怒鳴り付けたら失禁失神した。なんと気の弱い者だ。
これが幸したのか入宮しても夜のお呼ばれは、無く今日まで来たが、廃姫・ご飯も貰えず宦官達にいじめられる冷宮送りつくづく運の無い人生だ。
幸い前世の記憶が、たんこぶひとつで蘇った。ここはひとつ快適な冷宮生活の為に目前で震える宦官を使い準備をしょう。
先ずはお手当てで貰っていた大きな金貫を細かな銀粒に両替・手に入れた下働きの衣に着替え簪などの装飾品を大きな衣装箱の隠し底に隠す。
安物や見た目だけ良いものを上に詰める。宝飾箱には、使わない化粧品を積める。布製品は、全て丸めて布団とひとくくり茶道具と火鉢は、全て持ち出せと手伝いに来た下級宦官達に指示を入れる。
次に入る貴姫の側使いが、下見に来て 持ち出す卓や椅子を置いて行けと言う。「手垢の付いた物でもよろしいですか」瀬世ら笑って見せたら下女と思っていた女が、部屋の元主と驚いていた。
「そんなガラクタは、我が主には要りません」それでも何か霞め取ろうとする侍女に捨てようとゴミ山に置いてた古い木製のおまるをあげる。
側使いは悲鳴を上げ五月蝿いので怒鳴り付けたら腰を抜かす始末。側にいた宦官と付いて来てい側女に連れ出して貰った。
括り付けの家具と華美で重たい花瓶は、邪魔になるから置いていく。入宮前に渡された貴妃の心得本と無駄に長く邪魔と切った髪の毛の束 もゴミ山にポイとな。
迎えに来た輿に衣装箱を括りわらわは、急遽作った簡易リュックを背負い
厚手の肩袋に銀粒や貴重品。
いざ行かんと歩き出せば、宦官達に輿に乗って下さいと懇願されるが、くそ重い衣装もポックリ靴も無い。全力で突き進む〜慌てて追い掛ける皆にすぐ追い越され捕まった。
重い衣装箱にわらわを乗せると重さが増すと言えば、人を増やすからどうか輿にと言われ諦め衣装箱の前に腰を乗せる。
次の住まいに向かう途中で従姉妹の輿にと並び歩く事になったが、泣き声が、五月蝿いので先に歩かせてた。年もあちらが、上だし年長を敬うべし。
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