これがデート?!
---今度の土曜日、遠足の下見に行きましょう!2人で!一泊で!本当は生徒会費が余ってるからだけど笑
聖美はその場で踊りたいほど嬉しかった。必死に冷静になって、OKの返事を出した。
そして土曜日学校で待ち合わせ、遠足の場所鎌倉に向かった。考えた事なかったが、休日に杏と2人だけで逢うのは初めてだった。普段から生徒会の仕事で2人になる事はあったが、わざわざ集まるのは初めてだった。電車で移動したが、もっとゆっくり走ってほしかった。電車内で話す他愛のない話をずっとしていたかった。目的地が近づくにつれ段々と混んできた。2人は座っていたが、お年寄りを見かけた途端、杏が席を譲った。私も気まずくて、席を離れた。まさに電光石火の動きだった。狙ってもなかなか難しい動きをあっさりとやった。その姿があまりに神々しく写った。杏にとっては何気ない行いかもしれないが、私は声かける勇気がなかった。断られる恐怖のが勝った。
そして、鎌倉についた。まずは大仏様をみて写真を撮ってお昼を食べ午後は小町通りを歩いた。2人きりで写真を撮ったり、お参りしてたり、ソフトクリームを食べたりした。すると突然顔を寄せ顎の近くを人差し指でなぞられた。
---アイスついてたよ。かわいいから言わないで取っちゃった。
てへっと笑い、イタズラ混じりに言った。
正直ドキドキした。いや、ドキドキが収まらない。かわいいのは私でなく杏ちゃんだ。その日は観光をしても、アイスの事で頭から離れなかった。夜、旅館に着いた。お風呂も食事も一緒ですごく楽しかった。お菓子とジュースを食べきれないくらい買ってトランプもした。寝るのは生まれてから一番遅い時刻だった。お互いに寝てしまうのがもったいないと思ったが、布団を2つ並べての就寝。杏はあっという間に寝てしまった。一方聖美は全然眠れなかった。真横の杏の寝顔と寝息それを見て聴いて感じて目が冴えてしまった。そして、寝不足のまま朝を迎え江ノ島へと向かった。江ノ島では何も覚えていなかった。かろうじて写真を撮って思い出した。杏にも心配かけてしまい、目が見れなかった。時々、アイスクリームだったり寝顔を思い出しては、ドキドキした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます