KAC20245 おにぎりではしかよ!「ありがとう」が言えず「はなさないで」かよ!
冒険者たちのぽかぽか酒場
第1話 SF的に、「ありがとう」もわからないコンビニおばさんと戦う。そして、まさかの再会。
「はなさないで…。君を、はなさない。30年後の秘密も、はなさないで…」
は?
心の声?
そうだ!
気を付けな!
世の中、こういう人が増えたってよ。
「親切にしてもらって、お礼も言えない人」
いる。
「私、知らない人とは関われないんで」
その生き方の、クセ?
コンビニで…。
おにぎりをレジに出してからの、バトル。
「…はしは、お付けいたしますか?」
おにぎりで、はし?
バブルなおばさん店員の、あるある。
「…くそう。それより、ホットコーヒーをください」
「お客様?」
「…はい」
「ホットコーヒーは、温めますか?」
「…そのままで」
「はい」
「どうも、ありが…」
「あ。私、そういうのいりませんから」
「は?」
こういうおばさん、いるよ。
「頭にくる!ありがとうの受け答えも、できないのか」
腹の立った君が店を出たときには、暗黒な空気が広がっていた。
「何、これ?」
30年前の日付けの新聞が、道に落ちている。
タイムトラベル?
30年前に、きてしまったのか?
そのとき君は、道路工事の穴にはまっている女性を見てしまう。
「い、今助けますからね!」
女性に手を伸ばす、君。
そうして助けてもらい、お礼も言わずに去っていく女性。
怒る、君。
「親切にしてもらってお礼も言えない人…。この時代にも、いるのか!」
すると…?
君の身体に、魔法。
「…え、もう?」
せっかくやってきた30年前の世界から、すぐに、君の生きる30年後に戻される!
目を開けると、いつも利用するコンビニの前に立っていた。
落ち着くひまは、ない。
「待てー、男子ー!」
あのコンビニおばさんが、せまってきたのだ。
バトル、再び。
「ありがとうも言えないようなおばさんからは、逃げろ!」
「ちょっと!今、何言った?」
「…しまった!聞こえたか?」
「こらあ、そこの男子ー!30年前に出会った男子と、同じこと言うなー!」
…え。
「親切にしてもらって、お礼も言えない人」
そうか。
助けてあげたのにお礼も言えない女性の、30年後の姿が…。
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