第三章 壊れゆく世界
歪
第17話 相模帝という人間
☆一葉サイド☆
私の信頼度は0。
それはまあ仕方が無い。
私がまあ愚かなだけであるが。
だから私は今からは反省するしか無い。
思いながら私は黒鉛を置く。
コンテを置きながらパン屑を集める。
パンは黒鉛を描いてそれを間違えた場合、修正する為の消しゴムの様な存在だ。
絵を描いている者にはよく分かるかもしれないが。
初めての人にはそう説明をしておく。
今、双葉は部屋に戻った。
私はそれを確認しながら絵を描きながら涙を拭いて涙を拭いてを繰り返す。
それから私はスケッチブックの絵を修正していく。
するとスマホにメッセージが入った。
それは浮気相手の相模帝(さがみみかど)くんである。
私は、え?、と思いながら色の着いたコンテを置き、何、と反応する。
別れた筈なのに。
アカウントも凍結したんだが。
(一葉。嘘だろ。俺と別れるなんて。何でだよ。別に男が居ても良いって言ったろ)
(もう止めたいの。こういう浮気行為。私は目が覚めたから)
(は?マジ意味分からない)
そう話す帝君。
私は、帝君。私は馬鹿な真似をしていた。だから目を覚ましたい、と告げる。
すると、まあそう言うのは良いけど。一方的に切られて(はいそうですか)って納得出来るか?馬鹿じゃないのか、と帝君は言ってくる。
私は少しだけ眉を顰めて、私が悪いってのは分かる。本当に悪かった。ごめんなさい、と謝る。
(なあ。なら最後に一回だけ会おうぜ)
(そうだね。ごめん。もう貴方には会わない。ごめんなさい。有難うね今まで)
(そうか。そんな事言うのか?ならお前の妹を紹介しろよ。鬱憤が溜まってんだわ)
まさかの言葉に凍りついた。
それから、それはどういう意味。それに妹は紹介出来ない。貴方ってそういう人だったの?、と聞いてみる。
すると、いやいや。お前も今の時点でそういう人じゃん、と書いてくる。
(何を今更。お前がそんななら家族もそんなだろ。紹介しようが同じだろ)
(帝君。それは出来ない。それに私の妹はそんなんじゃない)
(は?)
帝君は威圧する様に言ってくる。
この人は出逢った頃は魅力的な男性だったが。
今では恐ろしく感じた。
私は震える。
そうしていると、逃げる気か?、と書いてきた帝君のアカウントを見る。
私は汗をかく。
それから見ていると、お前も同じ穴のムジナだ。逃げたら分かるよな?、と書いてくる。
何なんだこの人。
汗が。
嫌な汗が出る。
(帝君。こんな事もう止めよう。貴方には悪い事をしたって思う。ごめんなさい!)
(止めないよ。お前ら良い女だしさ?な?復縁してくれたら止めるし)
(だから私はもう.....)
(なら妹を差し出してくれよ。俺アイツと一発ヤリたいって思ってたし)
マジかコイツは。
青ざめる私。
思いながら私は帝のアカウントを消した。
これ以上は付き合えない。
思いながら号泣する私。
そうしていると、お姉ちゃん?、と声がした。
「え!?双葉.....なんで!?」
「呼んでも返事が無かったから。ねえ誰とメッセージしていたの?」
「浮気相手。アカウント消したけど」
「.....そう。偉いね。お姉ちゃん」
双葉は私のスマホを消去した画面を見ながら笑みを浮かべる。
汗が止まらない。
話すべきかどうなのか。
思いながら私は双葉を見ながら苦笑いを浮かべる。
☆双葉サイド☆
一葉が何かを隠している。
私を見ながら汗をかいている。
だが何があっているのか分からない。
一葉は隠す様な仕草しかしないから、であるが。
私は信じた様な顔をしながら擬似の笑みを浮かべる。
それからお姉ちゃんを見る。
「お姉ちゃん。15時になったから何かおやつ食べない?」
「え?め、珍しいね」
「そんなに珍しいかな。15時のおやつぐらい普通でしょう」
「そ、そうかな」
お姉ちゃんは複雑な顔をしながら横を見る。
私はその姿を見ながら居ると。
インターフォンが鳴った。
それから画面を覗くと。
そこにお兄ちゃんが立っている。
私は慌ててからドアを開けるとそこに何かを抱えたお兄ちゃんが。
「母さんが作り過ぎたからって。お菓子。マフィンだ」
「あ。お兄ちゃん。有難う」
「.....」
「.....」
何だか恥ずかしい感じだ。
考えながら風呂敷にマフィンという不思議な物を見る。
するとお兄ちゃんが聞いてくる。
で。アイツは大丈夫か、と。
私は後ろを見てから窓を見て開いてない事を確認しながら、お姉ちゃん何かを隠しています、と話した。
お兄ちゃんは、?、を浮かべる。
「ただし何かを隠しているとは言っても浮気では無い様だけどね」
「???」
「多分だけど。ねえお兄ちゃん。お姉ちゃんが隠しているっていったら何かな?この時点で」
「そうだな。何だろう。何か相手がゴネているとか?」
お兄ちゃんは、でもそれはないか、という感じの顔をする。
それから、それは無いな。多分。浮気した男はそこまでの根性は無いだろ、とも言葉を発したが。
私はお兄ちゃんの言葉に何か引っ掛かる感じがしてしまった。
それから私は考え込んだ。
まさかな。
考えたく無いが、悪い奴、だったりしたらどうしたものか、と。
全く浮気相手の話を聞いてないから。
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