プルーンが食べたい!
.
プルーンが食べたい。
2ヶ月に一回の頻度で学校給食に出ていた2つ入りのドライプルーン。
当時、視力が悪くてプルーンを食べると目が良くなるという大人の言葉を信じて食べていた。
ドライプルーンは不人気で食べない子が多く、でも給食を残すのは禁止みたいな決まりがあって、「食べないならちょうだい」と食べない子たちからドライプルーンをもらって食べていた。
普段、給食の残りが出てもそんなにおかわりしないわたしが欲するから「プルーン好きなの?」と何度か聞かれた。
「プルーンを食べると目が良くなるんだって。スーパーには売ってないからこういう時に食べておかないと!」
わたしが張り切ってそう言うと、「え、そうなの? じゃあ、ちょっと食べてみようかな」と何故かいつもは食べないでわたしにくれる子たちがプルーンに興味を出して食べ始めた。
当時、ドライフルーツはそんなにスーパーとかで売ってなくて、貴重だった。
その結果、人気は出なかったけど、プルーンを残す子が減ってわたしは給食で多めにプルーンを食べられなくなった。
喜ばしいことなのに、(畜生っ、言わなきゃ良かった!)と思ったのは内緒だ。
給食に出て来るドライフルーツのみを食べたところでわたしの視力がどうにかなることはなかったけれど、食品の効果を信じて興味を持って食べてみるのは大事なんだなと思う出来事だった。
でも、食物アレルギーがあるから食べたことない人に食品を安易にすすめてはいけないことも大人になって学ぶのだった。
.
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます