無能認定され王宮から追放された俺、実は竜の言葉が話せたのでSSS級最凶竜種に懐かれ、気がついたら【竜人王】になってました。
霞杏檎
第1話 追放されて無職に
俺は突然、王に呼び出され、王のいる玉座の間へと連れてこられた。休憩時間に剣の素振りをしていたら大臣に突然呼ばれたものだったので急な話で驚いている。
俺は早々と王の元へと向かい、跪いた。
「お、王よ。わ、私に何か御用でしょうか?」
弱々とした声でそう拗ねる俺はレイク、このイブニクル王国で兵士として働いているごく一般的な人間である。そんな一般的な俺が単独で王に呼ばれとなると緊張で腹痛を起こしそうになる。ゆっくりと呼吸を整えながら、王の方を向く。
「レイク、兵士の仕事を頑張っておる様だな」
「は、はい! それなりには頑張っております!」
「だが、少し気になることを耳にした。レイク、お前はこの前の遠征で仲間達から遅れをとっていた様だな」
「え⁉︎ 王よ、それをどこで⁉︎」
「部隊長が言っておったぞ」
そう、俺はこの前の遠征訓練で周囲の仲間達について行けず、大きく遅れをとって迷惑をかけていた。訓練の多くがスキルの使用と簡易的な魔法の行使をする内容のものだったが、俺にはそれができなかった。魔法の行使は愚か、スキルも使用することができず、仲間から教わって訓練中に身につけたスキルは1つだけだった。
スキルと言う物は必ずどんな落ちこぼれでも最低1つは持っているとされている。しかし、俺の場合戦闘スキルも探索スキルも持っていない。それに魔法も魔力が足りず、行使することもできなかった。
それによって周りからは『無能者』やら『無能力者』だと虐げられ、悔しくて努力しようと中庭で剣の素振りをしてたんだけど……
「それとこんな話も聞いたぞ。『うちに珍しい、無能力者が紛れ込んだ』と」
それを王の耳に入ってしまった……
そう思った瞬間、俺の身体は小刻みに揺れ始める。
しかし、ここは引き下がるわけにはいかない
「そ、そんなことありません! 私は魔法もスキルもイマイチですが。技術でこの国の兵士を務めていきたいと考えております!」
俺がそう言った時、横の扉が開かれると1人の男が玉座の間に入ってくる。
「レイク、それだけでは我がイブニクル王国の兵士は務まらんぞ?」
入ってきたのは高身長で銀色に輝く金属鎧フルプレートメイルを見にまとったロン毛の男、兵隊長のカタールだった。
「か、カタールさんしかし!」
「レイク! 君は見ただろう! うちの兵士は君以外、最低でも1つはコモンスキルぐらい持っているのだぞ。それを使えるか使えないかでは大きく差が生まれる……だが、スキルと言う物は最低でも人間には1つは兼ね備えられている物だ。王よ、私から意見がございます。レイクがこの場で、自身のスキルを披露できたら兵士としての仕事の継続を許し、出来ぬのなら即刻この国から出ていくのはどうでしょう? 『無能力者』などこの国には必要ない。必要なのは強い力のみ! 如何でしょう⁉︎」
「カタールの言う事も一理ある。そうだな、我が目の前で披露できるのであれば是非、我が国の有望な兵士であると言う所を見てみたい」
まずい……まずいことになった……ここで職を失ったら、俺の人生どうなるんだ? ご、ご飯が食べていけなくなってしまう……そんなのは嫌だ!
「わ、分かりました……やりましょう」
俺がそう言って立ち上がると、カタールは自身の腰のロングソードを抜いて、俺に渡してきた。
「一芸で良い、やってみせよ」
俺は剣を受け取ると正しいフォームで構える。
何を……何をすればいい……そうだ! 遠征の時にカタールさんから教えてもらったスキル"風切り"をやってみよう!
コモンスキル"風切り"は風を切るかの如く、水平に剣を振り、通常攻撃よりも高いダメージを与えると言う技だ。スキルが上手くいくと、本当に風が切られ、切られた風が周りに靡くのだ。
落ち着いて、集中するんだ……一気に剣を振れ……今だ‼︎
「たぁあ‼︎」
俺は呼吸を整えて、一気に剣を横に振った。しかし、剣は波を打つ様にヘナヘナとした軌道を描いて振り抜かれる。
「も、もう一度行きます!」
何度も何度も、振り直すがスキルが上手く発動されなかった。
「レイク、もう良い‼︎」
カタールに止められ、俺は剣を落とした。
「残念だったなレイクよ」
俺は顔を上げることができなかった。
そして、王が口を開く。
「レイクよ、残念だが約束は約束である。今日をもってお前を解雇する! 即刻、この王宮から出て行くのだ!」
こうして、俺は等々無職となり、この王宮から追い出されることになった。
俺が肩を落としながら兵士たちによって外に出された後、王室にてイブニクル王と部隊長カタールが談話をしていた。
「……これで、本当に良かったのかカタールよ」
「ええ、あのご決断で何も問題ありません。我々、イブニクル王国は兵の数も増え、力を増している。だが、この世界の上位種である竜種は私たち人族以上に力を増している。竜種はいつ我々の国を襲ってくるか分からないのです。そんな中で、我が国にあのような無能を置いていては無能が伝染してしまう。これは国の今後の損害を考えても素晴らしいご決断だと思われます」
「確かにな。カタールよ、今後の竜族の動きに備えてより良い人材を徴収し、教育をするのだ」
「ええ、お任せを」
カタールは深いお辞儀を王へと見せる。そして、その伏せた顔は気味が悪い程にやけ顔になっていた。
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