黒白のSSS級堕天者は念願の学園で青春を謳歌したい〜ただし学園は異世界帰還者だらけで危険な件〜

あおぞら

第1章 異世界帰還者が集う学園

第1話 異界学園に通わないといけないらしい

 ———2140年3月13日、日本。

 東京の郊外のとあるマンション。


「———おにぃ、何かポストに手紙が入ってるよ!」

「んあー……俺らに手紙? そんな物好きが居んのか?」


 俺——— 朝霧朔夜あさぎりさくやは、セミロングの黒髪に特徴的な真紅の瞳を持った超絶美少女にして我が妹———朝霧華恋あさぎりかれんが持って来た、ポストに入っていた宛名不明の手紙を受け取る。


 因みに俺の外見は、黒髪と白髪のオッドヘアーに同じ色のオッドアイと言う厨二病全開と言った感じで普通に恥ずかしい。

 しかし、自分で言うのも何だが顔立ちは整っていると思う。

 まぁ双子の妹が美少女なんだから当たり前と言えば当たり前なのだが。

 

 それにしても……俺は手紙を見ながら溜息を吐く。


「一体何年振りだよ……ポストなんて殆ど使った覚えないぞ」

「まぁ……色んな意味で、私もおにぃも全然普通じゃないもんね〜」

「そんな軽く言うもんじゃないと思うぞ、妹よ。と言うか俺らが普通だったらこの世は絶対ぶっ壊れてるって」


 そう———俺達には誰にも言えない、言ってはならない秘密がある。

 

 それは———兄である俺が転生者であること。

 そして妹の華恋が、俺の転生の影響で人間を超越した身体能力とスキルを手に入れた世界唯一の人間だと言うこと。


 当たり前だが、この世界———地球には、勿論だが魔法もスキルもあるわけが無い。

 そのため転生者であり力の使い方を熟知している俺はまだしも、力を制御出来ない華恋の力を誰かに知られるわけにはいかず、両親にすらも黙っていた。


 そんな両親だが……俺達が8歳の時に交通事故で亡くなってしまった。

 俺は自らの力を使って生き返らせようとしたが、遺体が原型を留めていなかったのと、当時の俺の身体はまだ発達途中だったため、高度な魔法が使えなかったせいで助けることが出来ず、そのまま両親は帰らぬ人に。

 

 親戚も居なかった俺達は今日まで、2人で何とか助け合って生活している。

 学校も華恋が自分の力を制御出来なかったのと、俺がお金を稼がなければいけなかったので通信制の学校に通っていた。

 

「それでそれで? 結局中には何て書いてあったの?」


 華恋が嬉々として俺の膝に乗って、早く見る様に急かす。 

 横に椅子もあるのだが、華恋は俺の膝の上がお気に入りらしい。


 俺と華恋は双子ではあるが、二卵性で、俺の身長が176なのに対し華恋の身長は155とそこまで高くない。

 同じ15歳で、しかも兄の膝の上に乗る妹はこの世にそういないだろう。

 まぁ可愛いので許す。


 因みに身長の低い彼女が俺の膝の上に乗ると、良いところに頭が来る。

 そんな可愛い華恋の頭を撫でながら、俺は手紙を魔法で宙に浮かべて封を開けた。


「相変わらずおにぃは器用だねぇ……」

「魔力が少ないと操作し易いんだよ。何で華恋の方が転生した俺よりも魔力も身体能力も高いのかなぁ」

「私はおにぃの自慢の妹ですから———っておにぃ?」


 突然纏う雰囲気を一変させ、魔力を漏らさせた俺に戸惑う華恋。

 しかし手紙を見た華恋も目を見開いて驚いていた。


「おにぃ……これって……」

「ああ……どうやら俺達の力はバレていたらしいな……」



——————————————

朝霧朔夜様、朝霧華恋様へ。


お2人から異界の力を確認したため、3年間国立異界学園に通学する事を命じます。

明日の早朝、迎えの車が来ますので準備しておいて下さい。

尚、入学の際の入学金に授業料、教材費、滞在費など諸々の費用の用意、入学試験を受ける必要もありません。

更に家を1つ貸し出します。


国立異界学園 学園長

——————————————



「……国立異界学園……聞いた事ないな」

「私も知らなーい」


 2人揃って聞いたことのない学校名に首を傾げる。

 

 と言うかそもそもの話、俺達は高校に行くお金もなく、中卒でも良いかと思っていたので、高校についてはあまり詳しく知らない。


 ……インターネットで検索をかけてみてもヒットしないな。

 さてはこれ、詐欺の手紙なんじゃないか?


 俺が目の前の手紙を訝しんでいると、華恋がキラキラと瞳を輝かせて言った。


「おにぃ見て見て! この学校に入ったらお金は全部要らないって!」

「おおー確かにそうやって書いてあるな。でもこの程度で行くとは———受験不要!? じゃあ勉強しなくても良いってことじゃん! ……これは詐欺でも行ってみる価値あるぞ」

「取られるお金もないしね。 わーい! おにぃと同じ学校に通えるっ! それにおにぃの念願の学校生活だねっ!」

「ああ! これは少し楽しみになって来たな……! ———ところで、我が妹よ」


 俺が華恋の身体を此方に向けると、華恋はキョトンと可愛く首を傾げる。


「なぁにおにぃ?」

「相手は何者か分からない。おいそれと力を見せるんじゃないぞ。これは兄ちゃんとの約束だ」

「うんっ! おにぃが言うならそうする!」


 些か俺に信頼を置きすぎな気もするが……まぁ唯一の家族だしこうなるのもしょうがないか。

 俺自身、頼られるのは嬉しいし。


「さて……それじゃあ早速明日の準備をしよう!」

「おー!」


 俺達は意気揚々と明日に向けて、準備を始めた。

 

————————————————————————

 どうもあおぞらです。

 今回は異世界帰還者だらけの学園に入学して、青春を謳歌するために頑張る主人公のお話です。


 昨日に引き続き新作ですが、恐らく今年最後の新作だと思います。

 これからは受験があるので。


 なので、☆☆☆とフォロー宜しくお願いします!!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る