染まる彼岸花
赤々と揺れる彼岸花畑の中で母娘が昔話をする。
「彼岸花は何故赤いの?」
「始めは白だった。
ある日一輪だけ赤い花が咲いた。
人々はその異端性を恐れ育てていた娘を魔女と罵り殺したの。
白い花は血で染まり以後赤い彼岸花ばかりが咲いた」
母は角の生えた娘を見る。
彼女の血は青い。
その後彼岸花は──。
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