始業式・・・3

教室きょうしつはいってザッとまわりを見る。


男子だんし女子じょし数人すうにんかたまって大きなグループを作っていた。

中心ちゅうしん晴香はるか睦月むつき

家が近所きんじょむかしからよくあそんでた幼馴染おさななじみの睦月。

ただ5年生になってから睦月むつきのサッカーがいそしくて、しゅうに1、2しかあそんでない。

そのサッカーで5年生なのに試合しあいに出ると言う偉業いぎょう達成たっせいした睦月むつきは、いつのにか、小学校しょうがっこう人気者にんきものになっていた。


睦月むつきがわたしに気付いて、をあげた。

美羽みわ秋本あきもとも!今年ことしおなじクラスだな。よろしく」

大きなこえ

私もななちゃんもびっくりする。

みんなの視線しせんが私たちに集中しゅうちゅうした。

私はあんまり人に見られるのは得意とくいじゃない。

緊張きんちょうしながら睦月むつきに手をる。

ななちゃんは、大きなこえ睦月むつき挨拶あいさつ(?)する。

晴香はるか!私はついでかもしれないけど」

そこで言葉ことばを止めてななちゃんはいきを思いきっりんだ。

次の瞬間しゅんかん「よ・ろ・し・くーー!」と大きな声。

鼓膜こまくやぶれるかと思った。

みんなポカーンとしたかおをして見てる。

ななちゃんはほかの人のことなんておかまいなしで、わたしとつないだままわたしのせきまで移動いどうした。

「ななちゃん、こえ大きいよ!」

わたしはあせってななちゃんに抗議こうぎする。

「いいの、いいの。みんなびっくりしてたでしょ!たのしー!!」

うれしそうにそんなことをいうななちゃんにあんまり目立めだちたくない私はかたをすくめた。

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