この恋は終わっている
早蕨琢斗
恋
第1話 始まり
中学校からだろうか恋愛というものに興味を持ち始めて、恋愛ごっこをたくさんしていくのは...。
別に恋愛自体を否定しているのではない、こんなことを考えている自分自身でさえ恋愛というものにかなり興味があるし経験したことはある。じゃあ、なぜ恋愛ごっこなんて言うのかって?そんなの決まっているじゃないか。1週間で別れたとか付き合った理由が罰ゲームだとか友達が携帯を操作して付き合う流れになったとか性行為をしたいとか理由なんていくらでもある。みんなの周りにも居たんじゃないだろうか、いなかったとしたら環境が凄く恵まれていたんじゃないかと思う。ただ実際は知らないだけなのだ。
だけど、稀に付き合ってそのまま何年も別れないなんてパターンもある。そういのは大抵高校卒業あたりから別れはじめる。
学生の恋愛なんて所詮そんなものなのだ。好きだ愛しているなど言葉を並べても、結局は近くにいる異性に気を取られて恋人よりも距離を縮めていってしまう。それなのに、それを知っているつもりなのに恋に落ちていく。
「どれだけ不幸になると知っていても恋は盲目となる」
夕方の海は最高に綺麗だ。こう夕日が海に沈んでいくというのは、心を無にしてくれる。嫌なことがあってもそのすべてを一瞬にして忘れさせてくれる。この景色に見とれてしまっているのだ。
中学生から高校生になって、何かが変わるんだと信じていたし願っていた。変わったことといえば学校に来る人だけだろう。その他は何も変わらないただの学生生活だ。高校生になりたてほやほやな
「高校生になったけど、何も変わってない気がする」
何が1番変わって欲しかったのかと言えば、自分の性格だ。何に対しても否定的な部分が環境によって変化するのを期待したがだめだった。
「わたしは変わったと思うぞ~」
後ろから聞き慣れた声が聞こえた。そうよく聞き慣れたね。
「なんだ、川西か」
「なんだとはなんだ! 否定的な君をこうして元気づけようとしているのに」
「具体的に何が変わったんだよ」
「うーん、雰囲気?」
「うわ、てきとー」
ほんと何しに来たんだこいつ。
「でも、確かに変わったと思うよ。わたしと会っていない間何かあった?」
「特にないよ」
あー、こいつと話してると余計なこと言いそうになるな。
「川西、そろそろ帰るぞ」
川西を背に荷物をもって歩き出す。
「あ、ちょっと待ってよ~」
なんか川西の扱い酷いんじゃないかって?
そりゃ、女子にはこんなに雑に対応しないさ。元カノだから適当に接してもなんの問題もないと思ってるだけ。
俺の横をあの時のように彼女が歩いている。
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