第6話 弱くてニューゲーム

ああ、あれだね。

ゲームクリアしたときもう一回強さそのままでゲームを最初からはじめるやつだね。

なんて言ったっけ?

強くてニューゲーム?

いやいやいやいや。


弱くてニューゲームだろ。


「先生、この子泣いてませんか?」


シエラさんがそう言って心配そうに僕を見る。


ああ、泣きたい。

大声を出して泣きたい。


清空さんが僕の頭を撫でる。


「どうじゃ?腹でも空かぬか?」


「え?」


今ここでそれを聞く?


でも僕の体は正直だ。

お腹が鳴る。


「じゃ、ご飯にしましょう!」


シエラがパンと手を叩きます。


「え?」


感覚が違うのかな?

ここ死体の山だぞ……


「その前に埋葬してやろう」


清空さんの言葉を聞いて僕は安心した。


名前も知らない赤い目の人たち。

大半の人は目を抉られている。


「ねぇ、どうして僕の目は青いの?」


「さぁな?

 わかっているのは赤い目の存在は高く売れる。

 青い目の存在は倒せば大量の経験値が入る。

 それだけだ」


なんだ……

僕はメタルスライム的な存在なのか。


なんか泣けてきた。

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