第4話 私の名前は

布団がそっと外される。


女の子が言った。


「もう大丈夫だよ」


小さく笑う。


「大丈夫……?でも、あの人達は……」


「アイツらは全員逃げたぞ」


女子高生がそういった。

セーラー服を来ているから女子高生と思ってはいるけれど。

もしかしたら女子中学生かもしれない。


「あなたは?」


「私の名前は詩空シソラ清空キヨラ

 ファルシオン科学部隊の隊長さんだ」


「ファルシオン……?」


なんだろう。

やはりこの世界は異世界なのか。

僕の知る世界にファルシオンという組織はない。

知らないだけかもしれないけれど。


「私の名前は、シエラ・シエル」


女の子が名乗った。


「僕は……」


あれ?僕の名前はなんだ?


「お前の転生者だな?」


「え?」


清空さんの言葉に僕は驚く。


「違うか?」


「多分そうです」


「そうか……丹歌の友達になれるかもな」


「丹歌?」


「そうだニコニコの丹歌だ」


「なんかよく笑いそうな名前ですね」


「それが全然笑わないんだ」


清空さんが苦笑いを浮かべた。


「先生!私に名前をつけさせてください!」


清空さんが小さく笑う。


「聞いてみてやろう」


「空色のソラ!」


「はは、まぁいいだろう。

 君の名前はこれからはソラだ!」


そうして僕はソラになった。

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