ノインウントツヴァンツイヒ 言葉と同時に絶たれる命

「ヒッ、ヒイイーーーッ!」


「何で攻撃が通じねえんだっ!」


「始まったようですね。灰色グリザイユ君」


「はい。騎士シュヴァリエ様。フロリアーヌ女史が地下室で天から授からし根元魔法の素質を、存分に振るわれていられるようです♪」


放棄された古い砦跡の地下にある食料貯蔵庫に繋がる出入口から、男の悲鳴と怒声が響いて来ましたので。グリザイユ君と共に草叢くさむらに身を潜めている自分は、騎手之弓ライター・ボーゲンに矢をつがえてつるを引き絞りました。


「ギリッギリッギリッ」


騎手之弓ライター・ボーゲンを構えてつるを引き絞られる騎士シュヴァリエ様の御姿も絵になると感じます♪」


画家志望である芸術家の卵のグリザイユ君の思考回路には、やはり騎士シュヴァリエの自分には謎に感じる部分があります?。


「にっ、人間じゃねえっ!」


怪物ウン・ゲホイヤーだっ!。逃げ…」


途中で言葉が断たれるという事は、フロリアーヌ女史による根元魔法で、言葉と同時に命も絶たれた事を意味しています。

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