somnambulist

清野勝寛

あなたに逢いに、夢を歩く


晴れた空を見上げて、歩いていたら

いつの間にか知らない街

鈴蘭の香りは春の匂い、何処までも

吹き抜ける風は自由だった


造り物みたいな空の色

今は誰もいないみたいに静かで

天国がもし本当にあるのなら

こんな場所が良いなと思う


ここにも君はいない、いない。

それならそれで、別にいい。

だってなにも変わらない。

朝が来れば、僕はいない。

それだけが少し、寂しい。

だって知らなかったんだ。


目を擦っても、涙を流しても、

腕を砕いても、繰り返し、繰り返し君を叫んでも


当たり前みたいな顔をして、

鈴蘭は風に揺られてる。


君はもう此処にいない、いない。

それならそれで、別にいい。

だってなにも変わらない。

朝が来れば、僕は行くよ。

何処へだっていけるんだ。


だって知らなかったから。

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