黙り比べ
俺にはライバルがいる。子どもの頃からの腐れ縁で、事あるごとに勝負をしている。
「おい! 勝負しようぜ。今まで色々と争ってきたけど、これで決着をつけよう!」
ある日ライバルがそんな事を言ってきた。もちろん、俺は彼の話に乗ることにした。
「望むところだ! いい加減白黒付けよう! それで何で勝負する?」
「それじゃあ『黙り比べ』なんてどうだ? 先に喋った奴の負けだ!」
「いいだろう! じゃあもうすぐ12時だからそこからスタートだ」
「よし、後5秒……4……3……2……1……」
12時になると同時に、俺は口を固く閉じた。しかし、驚くべきことが起きた。ライバルがナイフを取り出し、自らの胸を刺したのだ。俺は慌ててライバルに駆け寄る。
「何やってるんだ! しっかりしろ! おい!」
しかし、ライバルは勝ち誇った顔をして言った。
「お……おれの……勝ち……だ……」
「ライバル? ライバルー!!」
俺の絶叫が街中にこだまする。俺は今日生涯のライバルを失った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます