わがまま幼馴染

 俺の幼馴染は身勝手で横暴だ。いつも俺を罵倒しながらこき使ってくる。まあ、もう慣れているので別に良いけど。


 ある日、幼馴染が俺に買い物に行こうと誘ってきた。


「あんた明日暇でしょ? 買い物に行きたいからついてきなさい!」


 どうせ荷物持ちにされるのだろう。わかってはいるけど、断ると拗ねるので大人しく従うことにする。


「はいはい。わかったよ」


「じゃあ明日9時に私の家の前で待ち合わせね。遅れたら死刑だからね!」


「わかってるよ」


 死刑とか言われなくても、俺はいつも集合時間に気をつけている。遅刻したら幼馴染の機嫌が悪くなることは間違いないからだ。


 しかし、次の日朝。俺はうっかり寝坊してしまった。


「しまった! もう9時10分だ!」


 幼馴染の家へは3分もかからないのだけど、もう完全な遅刻だ。俺は急いで幼馴染の家に行くと、幼馴染は家の前に断頭台を用意して待っていた。


「ひっ! な、なんだよこれは!?」


 動揺している俺の首根っこを幼馴染が掴んで、俺を断頭台にセットした。


「……残念ながら遅刻よ。約束通り死刑を執行するわ」


「ちょ、ちょっと待ってくれ! あんなのただの冗談じゃなかったのかよ?」


「仕方ないでしょ! 『遅れたら死刑』って言っちゃんったんだから! 言ったことには責任を取らなきゃダメなの! それに…そもそもアンタが悪いのよ! アンタが遅刻なんてするからこんなことに……」


 幼馴染は泣きながら俺の死刑を執行した。

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