わがまま幼馴染
俺の幼馴染は身勝手で横暴だ。いつも俺を罵倒しながらこき使ってくる。まあ、もう慣れているので別に良いけど。
ある日、幼馴染が俺に買い物に行こうと誘ってきた。
「あんた明日暇でしょ? 買い物に行きたいからついてきなさい!」
どうせ荷物持ちにされるのだろう。わかってはいるけど、断ると拗ねるので大人しく従うことにする。
「はいはい。わかったよ」
「じゃあ明日9時に私の家の前で待ち合わせね。遅れたら死刑だからね!」
「わかってるよ」
死刑とか言われなくても、俺はいつも集合時間に気をつけている。遅刻したら幼馴染の機嫌が悪くなることは間違いないからだ。
しかし、次の日朝。俺はうっかり寝坊してしまった。
「しまった! もう9時10分だ!」
幼馴染の家へは3分もかからないのだけど、もう完全な遅刻だ。俺は急いで幼馴染の家に行くと、幼馴染は家の前に断頭台を用意して待っていた。
「ひっ! な、なんだよこれは!?」
動揺している俺の首根っこを幼馴染が掴んで、俺を断頭台にセットした。
「……残念ながら遅刻よ。約束通り死刑を執行するわ」
「ちょ、ちょっと待ってくれ! あんなのただの冗談じゃなかったのかよ?」
「仕方ないでしょ! 『遅れたら死刑』って言っちゃんったんだから! 言ったことには責任を取らなきゃダメなの! それに…そもそもアンタが悪いのよ! アンタが遅刻なんてするからこんなことに……」
幼馴染は泣きながら俺の死刑を執行した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます