透明人間になる薬
私は透明人間になれる薬を研究している。
「よし、出来た。まだ試作品だが理論上はこれを飲めば透明人間になれるはずだ。早速自分で試してみよう」
私がその薬を飲むとたちまち腹痛に襲われ、あまりの痛さに気絶してしまった。
しばらくして目を覚ますと、なんだか体がふわふわするような不思議な気分だった。
しかしそんなことよりも、とりあえず透明人間になれたかどうかが重要だ。私は鏡の前に立ってみる。
「やった、鏡に私の姿は映っていない。実験は成功だ」
鏡の前で私が喜んでいると、研究室に助手が入ってきた。
「あれ? 先生がいないぞ。 どこにいるんですか?」
どうやら助手は私に気がついていないようだ。私は今透明なのだから当然か。
「部屋の鍵は開いてたからいるはずなんだけどな……あ! せ、先生! どうしたんですか! しっかりしてください!」
助手はいきなり床に向かって叫び出した。一体どうしたのだろうかと思って床を見てみると、なんと床には意識を失った私の体が寝転がっていた。
「い、息をしてない! 死んでいる! は、早く救急車を……」
そうか、私は透明人間ではなく幽霊になっていたのか。それなら鏡にも映らないし、助手にも見えないはずだ。ハハハ……
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