タヌキの恩返し
俺は獣医をやっている。
ある日森の中でタヌキが足を怪我して動けなくなっているのを見つけた。可哀想に思った俺はタヌキを家に連れて帰って治療することにした。
しばらくしてタヌキの具合は良くなり、歩くこともできるようになった。
「元気になってよかった、そろそろ森に帰してもいいかもしれない」
そんなことを思っていたある日の夜、寝ていた俺は何者かに起こされた。
「先生、起きてください」
俺は独身で一人暮らしなので家には他に誰もいないはず。奇妙に思って目を覚ますと俺の側に美しい女性が座っていた。
「き、君は誰だ!」
俺が驚いていると女性は恥ずかしそうに言った。
「あ、あの実は助けていただいたタヌキなんです。もう足の怪我も良くなったしそろそろ森に帰ろうと思ったんですけど、まだ何も御礼ができていないのが気になって。それで人間の女性に化けてみたんですけどどうでしょうか? 男の人ってこういうの好きかなって思って……これで恩返しになりますか?」
恩返しになるも何も逆にこっちが御礼を言いたいくらいだった。その後俺はタヌキを抱き、一晩中悦びの限りを尽くした。
「もう朝ですね。そろそろ森に帰ります」
朝になり、タヌキは立ち上がって言った。
「そうか、残念だけど仕方ない」
「本当にありがとうございました。じゃあ僕はそろそろ行きますね」
タヌキはそう言い深くお辞儀をし、元のタヌキに戻ってから家を出ていった。しかし、俺は何かが引っかかる。
「あれ? あいつ今『僕』って……まさか!」
俺は急いで自分の陰茎を確かめてみた。嫌な予感は的中し、俺の陰茎にはタヌキの糞が大量にこびりついていたのである。
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