お仕置き

「もう許しません! ずっとこの中で反省してなさい!」


「い、いやだ! 出してよー」


 毎日イタズラをしていたボクは、遂にママにお仕置きとして庭の物置に閉じ込められてしまった。泣いたり叫んだりしたけど、ママは戻ってこない。どうにか外に出ようとしたけど、外からカギをかけられているらしく戸が開かない。


 ひとしきり泣き叫んだ後、これからどうするかを考える。


「はぁ、これからどうしよう。まあしばらくしたら外に出してくれるよね?」


 普通に考えたらずっと物置に入れられるわけがない。だからそのうち外に出してくれるはずだ。そう考えると少し気持ちが楽になった。


 そんなわけでボクは少し物置の中を探検することにした。幸い壁の隙間から日光が少し入っていて、物置の中は完全に真っ暗ではなかった。


「そういえばこの物置の中って見たことなかったな。ずっとカギがかかってたし」


 物置の中は古雑誌の入った段ボールとか古い家具や家電などガラクタばかりで特に面白いものはなさそうだった。そんな時、何かが足に当たった。


「あれ、なんか足に変なものが当たったぞ。何だろう?」


 ボクは足元を見て悲鳴をあげる。足元にあったのは骨。それも自分と同じ子どもくらいの大きさのガイコツだったのだ。


「な、何でこんなものが……あ」


 ボクには一つだけこのガイコツに心当たりがあった。


 ボクにはお兄ちゃんがいたらしいが、物心がつく前に行方不明になったらしい。このガイコツの正体はもしかして……


 ボクは青ざめる。そしてママの言葉を思い出す。


『ずっとこの中で反省してなさい!』


 そう、ママは「ずっと反省してなさい」と言った。「1日」とも「一晩」とも言ってない。「ずっと」と言った。ずっと反省した成れの果てがあのガイコツなのだとすると……


 ボクは力の限り、喉が潰れるまで泣き叫び続ける。


「出して! もうしません! イタズラしません! 出してください! お願いします! ママ! パパ! 助けて! 出してよ! 出して……」

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