俺氏、新しいイベントを楽しんでると、何故かBSSされた気分に陥る

  

「何だよもう、またかよ~~~~~~」

 

 落とし穴の先にある針山に落ちて死んだ。

 グシャリ


「おっと、Bクラス第8チーム、第7チームと同じく罠にはまって死んだ~~~。やはり罠地獄はクソゲーだ~~~」

 俺が作ったダンジョンは控えめに言ってクソゲーだった。

 作っているとはノリノリだったが、落ち着いて考えればクソゲーもクソゲー、学生じゃあまずクリア出来ないだろって高難易度ダンジョンだった。

 様々なギミックがあるが、まあ、うん。学生がクリア出来ますかという問いに対しては、絶対に無理ってのが筋になる程度にはクソだな。


 一応、色々な階層を作ったから、せっかくだし全部を楽しんで欲しいって思いを込めてしまった。

 全体の難易度を軽く調整した上で、入った瞬間ランダムに?階層に転移させられて、その階層を攻略して最後の階段を降りると今まで入ったことのない?階層にランダムに転移されってていうのを繰り返して、最終的に全ての階層を攻略した上でボス戦に突入という形にした。

 これが、正直クソゲーを加速させてしまった気がする。


 ようは対策を立てられないのだ。

 ランキングを決める為&エンターテインメントっていうのを込めてダンジョンでの攻略の様子は上部に設置した複数の超巨大モニターで確認をすることが出来るようにした。

 

 これで後続は対策が立てれるってなったが、まあ階層ランダムなので対策立てられないよねって話だ。

 立てられなくはないけど、膨大な試行回数と時間が必要だと思う。で、このダンジョンは今日公開された。

 まあ、そんなものはないって話だ。


 あ、今度は魔物だらけの階層踏んだパーティーが虐殺された。

 【1回の奇跡】(死亡の直前で死亡を回避して指定した安全地帯であるダンジョンの入り口に転移する魔法)があるから、死んでも問題ないって思ってクソダンジョン作ったけど。

 殺された生徒達が精神的に少々異常をきたしている気がしなくもない・・・というか、きたしてそう。

 流石にやる過ぎたかもしれないな。

 反省、反省。


 まあ、うん。俺は悪くないって奴だ。

 大丈夫最悪記憶を消せば何とかなるやろ。


 あ、実況役の先生と解説役兼スポンサー枠で来てるアンクルが話を始めてる。

 因みに、この実況役の先生、原作である魔王殺しの英雄学園では名前すら登場しない、実況役の先生としか呼ばれないキャラなのだが、ビジュが茶色の短髪美人でそれなりに育ったお胸が実況が白熱した時に身を乗り出す際に強調される点や「ですぞ」とかの時たま見えるオタク口調等々、それなりに一部の界隈で人気があり、二次創作も盛んに作られているキャラだ。

 生で見れて少し感動してる。


「さて、これでBクラスは残り1チームとなりました。解説のアンクル殿、この状況をどう見ますか」


「そうですね。正直他クラス含め期待外れ感は否めないです。あの英雄学園の生徒だからと期待はしていたんのですが、やはり下位のクラスは駄目ですね」


「おっと、中々に辛辣なご意見ですね。しかし、まだ我が英雄学園にはAクラスとSクラスがいますので、期待を捨てるにはまだ早いですぞ」


「そうですね。AクラスとSクラスには優秀な人材が揃ってますから、そこは期待しています」


「因みに誰が気になっている生徒はいますか?」


「そうですね。Aクラスでは世界最高の錬金術師であり十二統括者のグレン・アスフォール殿ですかね。他にはモブイ君という生徒ですかね?」


「確かに二人共Aクラスでも最上位の成績を収めていますね。因みに私は個人的にジーク君に注目をしていますね」


「ジーク?ああ、主人公もどきですか。私は一切の期待は持てないですかね」


「それは中々に辛辣ですな。私は彼のことを結構気に入っていますですぞ」

 

「そうですか。まあ、個々人の自由ですからね」

 しれっと、俺達の解説役の先生、主人公もどきにNTRされてね?

 いや違うか、BSSか。

 BSSなのか?しかし、何だろうこの何とも言えぬ複雑な気持ちは・・・。

 ハア、いつか切り落としてやろうかな?一線超えたら切り落とすけど、まあ流石に可哀想だからやめておくか。


「おっと、Bクラス最後のチーム、おしくも4階層まで進んだ後、罠に引っかかって全滅しました。全員巨大岩によってぺしゃんこです。

 やはり罠は鬼門ですね」


「そうですね。基本的にダンジョンでバリエーションに富んだかつしっかりと殺しにかかってきている罠って案外少ないんですよ。

 だから、そういう点で罠への対応力の低さというのが露呈した形となってますね」


「なるほど。なるほど。参考になります。

 では、次は皆様お待ちかねAクラスの挑戦です。皆様盛大に拍手を」






――――――――――――――


 補足説明

 最初長々とランキング決める為のダンジョン開会式からやって、下位のクラスの駄目っぽさを見せつけてってやろうとしたけど、グタグタになったので消した。

 一応、設定としては全校生徒がまず特設巨大闘技場に集められ、そこには巨大モニターが宙にいくつも浮いている状態で真ん中には件の主人公特性クソ難易度ダンジョンが。

 で、クラスで1~7人でパーティーを組んでもらい、各々ダンジョンに挑戦して貰う。

 ダンジョンでの様子は上部の巨大モニターで常に表示されており、それを元に先生たちは点数をつけて、ランキングへの判断材料とする。


 で、Bクラスまでの下位クラスは碌な活躍も見せることが出来ずに壊滅。

 ほとんど点数が横ばいで先生方と校長先生がどうしたものかと胃を痛めている。


 可哀想に。


 次回はいよいよ主人公がダンジョンに潜るぜ(無双するとは言ってない)

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