🌕️【掌編小説】オレの心が描くモノ
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ねぇ、オレは本当に必要なの?
ねぇ、オレはこの世界に不要なの?
目の前が真っ暗で、此処が何処なのか、自分は一体誰なのか、もう分からなくなった。
『打たれ強いね』
どんなに酷いことを言われても、同情なんかオレは求めてないから周りにそう言われた。
『いいね、強くて』
涙を流さないから。
泣く所を見せないから。
周りにそう言われた。
別にオレは―――強くなんかないよ。
全然弱いよ―――オレは誰よりもずっと……。
オレだって本当は、酷いことを言われたら涙を流して泣くことだってある。
ただ、負けるのが嫌なだけ。
ただ、ただ人に泣く所を見られたくないだけ。
そう、オレはいつも強がっているだけなんだ……。
まるでオレの心の中は、少しでも力を加えたらすぐに壊れてしまう、もろいゴム風船のように……。
だから、壊れないように危険から、……その場から逃げ出して。
壊れてしまったら誰にも見つからないようにそっと処分して。
新しいモノをバレないように創り、用意する……。
そしてオレは、それと同時に何にも感じないまま、ただ息をしていきるだけの植物のように、誰にも存在を気付かれぬまま、今日一日を過ごすんだ―――……。
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