紙の上からこんにちは【短編集】

かがみゆえ

掌編小説

【掌編小説】そこにいなくとも。

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 毎日部屋を覗くと、いつもの場所に座っていた貴方。

 だけど今、部屋を覗いても貴方はもう此処にはいない。

 それでもまだ、貴方がいるんじゃないかって部屋を覗く“わたし”がいた。


 もしも、もしも願いが叶うのならば、“あの日”に戻してください。

 あの人が、いなくなってしまったあの日に……。

 それが駄目ならせめて、あの人との思い出、あの人への想いを全て、わたしの中から忘れさせてください。

 お願いです、消して下さい……。


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