第2話:存在の対処

ある日、村の長老たちが集まり、鳥人の存在に対処する方法を模索し始めた。彼らは古い伝承や書物を調べ、神聖な場所に足を運んで祈りを捧げたが、鳥人の正体や出現の理由はわからないままだった。


村人たちは徐々に自衛のための対策を考え始めた。家々には、鳥人の侵入を防ぐための護符や結界が張られ、夜になると家族で団結して一箇所に集まることとなった。村は一体となって対抗しようとしたが、鳥人の存在は依然として村の周囲に漂い続けた。


恐怖と戦いながら、村人たちは日々の生活を送ることになった。子供たちは笑い声を失い、大人たちは元気を取り戻そうと努力したが、心の奥底には常に恐れが潜んでいた。


ある夜、村の一人の若者が鳥人に追いかけられるという体験をした。彼は必死に逃げ回り、家に戻ることができたが、その後も彼は心に深い傷を負ったままだった。彼は恐怖の余り、村を離れることを決意した。若者は家族や友人たちに別れを告げ、見知らぬ土地へと旅立った。


その若者の話が広まり、村はますます閉ざされていった。外部との交流は絶たれ、他の地域からの訪問者も減っていった。村人たちは恐怖から逃れるために自らを孤立させ、孤独と闘いながら暮らすこととなった。


数年後、村の長老たちは新たなる決断を下した。鳥人の存在との戦いに敗北し続ける中で、彼らは村を守るための最後の試みをすることにした。長老たちは特別な祭儀を行い、村を鳥人の侵入から守る結界を強化するという計画だった。


その夜、村人たちが一堂に集まり、長老たちが古代の呪文を唱え始めた。村は神聖なエネルギーに包まれ、鳥人の存在が村に近づくことが阻まれるようになった。


だが、鳥人もそれに応戦し、村の結界を破ろうと猛然と攻撃を仕掛けてきた。村人たちは必死に立ち向かい、長老たちは最後の力を振り絞って結界を守ろうとしたが、それでも鳥人の力は強大であった。


結界は次第に揺らぎ始め、破壊の瀬戸際に追い込まれていた。村人たちは絶望に包まれ、未来を見据えることができなかった。そのとき、村を離れて旅立った若者が戻ってきた。


若者は自分が見つけた鳥人の弱点を伝え、その対処法を示したのだ。それは鳥人が夜になると力を得るが、朝の光に弱いということだった。若者は希望を胸に鳥人に立ち向かい、結界の中で朝を迎えることを決意した。


朝が来ると、鳥人の姿は次第に消えていった。光の力に押され、彼は村を去って行ったのだ。村人たちは安堵の涙を流し、若者を称えた。彼の勇気と知恵によって、村は鳥人の脅威から解放されたのである。


以降、村は新たなる希望と勇気を取り戻し、鳥人の存在を忘れることはなかったが、それでも夜になると外出を控える必要はなくなった。若者の勇気と知恵が村を救い、鳥人の怪異が過去の出来事となった。


だが、村人たちは心の中に鳥人の恐怖を忘れず、その姿を夢に見ることがあったという。そして、時折、星の輝きとともに人間の顔をした鳥の姿をした者が夜空に舞い上がるという噂が、村には語り継がれていったのである。

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