第26話 いつまでも続く 幸せな日々


「ようやく、帝都についたわね」


「そうだね…うん、ようやく着いたね」


セレスくんとの旅は凄く楽しかった。


王国から聖教国、帝国…此処迄来れば、もう魔族を恐れる必要は無いわ。


偶には来るかも知れないけど、魔国から此処に来るには王国、聖教国と通らなければ来られない。


それに帝国には強い騎士や兵隊がいるから、多分セレスくんや私が生きているうちに滅亡は無いわ。


ある意味、これで安心と言えるわ。


だけど、それは大きな活躍の場が無いとも言えるわ。


あとは、強い存在が好きなサイザー帝王がドラゴンスレイヤーのセレスくんに目を向けないか心配だわ。


「それで、これからどうするの?」


「今までと同じ、冒険者をやりながら楽しく暮すのはどうかな?」


「それで良いの?」


「前にも言ったけど、俺の夢は静子さんと暮らす事だから、もう叶っちゃった…あとはそうだね、安住の地を探す位かな?」


「安住の地?」


「そう、第二の故郷ととも言える場所を探して家でも買ってのんびり暮らしていけたら、そう思うんだけど…静子さんはどう思う?」


「活躍したいとか出世したいとか無いの?」


「無いない…俺の冒険はゼクト達としたあの日々だけで充分! 幾ら評価されても、出世しても、責任が重くて辛い日々になりそうだから、これで充分だよ…なにより只の冒険者なら『逃げても責められない』からね」


「確かにそうね、魔王とか魔族とかに関わらない平和でのどかな日々…最高」


「そうでしょう…それじゃ行こうか?」


「はい」


平和で、楽しい毎日…そこに愛してくれて、愛す存在が居れば充分だわ。



この平和な日々がずうっと続きます様に…


帝国の門をくぐりながら…そう願った。


『セレスくんが居れば、幸せ』なんだもん。



                    FIN



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る