父の苦労、母のストレス、姉の苦悩、妹の涙②
.
お父さん……。
今はわたしが入院した大きな病院がある市に引っ越して来て、行きたい時に行けば自宅から大きな病院まで10分弱で着くよね。
でも、当時は田舎に住んでたから自宅から大きな病気まで、車で2時間以上もかかった。
仕事で忙しくて疲れているのに、時間があると自宅から車を走らせ、いつもわたしのお見舞いに来てくれたよね。
今思うとお父さん、往復で4時間以上車を走らせていたから、ガソリン代がめちゃくちゃかかっていたよね……。
わたしの家は決して裕福でも貧乏でもない一般家庭だけど、わたしの入院費と家庭の為に本当はやらなくて良い仕事も、自ら進んで働いたんでしょ?
よく、当時は仕事の過労で倒れなかったよね……。
お父さん。
わたしはね、お父さんがすごくうざくて、時々嫌になって顔も見たくないって思うこともあるけど。
お父さんはいつもわたしたち子どものことを考えて口煩く言ってくれてるんでしょ?
わたしはまだ、20歳にも満たない子どもだから大人の苦労って分からないけど、大人になれたらきっと分かるよね?
……わたしは、お父さんが望んだ性別には生まれて来れなかったけど、お母さんが言うにはお父さんとわたしは“父と息子”だから。
裸の付き合いは絶対に無理だけど、口喧嘩や殴り合いの喧嘩は出来るからね。
いつでも待ってるよ。
お父さん。
わたしは姉妹の中で一番お父さんに親孝行出来るように頑張ります。
その証拠にまず、私は病気になったから絶対無理と言われた、高校進学(しかも公立高)を果たしたでしょ?
まずは親孝行の第一歩を踏み出せたよね?
.
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます