シュウトくん④

 .





「…… 一体……どういうことですか……?」

「シュウトの病気はね……、身体中の筋肉がだんだん衰えて……、最後には寝たきりになっちゃうの……」

「……寝たきり……?」

「えぇ。シュウトが今、受けてるリハビリは筋肉の衰えを少しでも遅れさせる為なの……」

「……シュウトくん……このこと……知ってるんですか……?」

「医師もおばさんの口からも言ってないわ。でも多分、自分の身体のことだから、シュウトは気付いていると思う……」


 ……嘘……だ……。

 だって……シュウトくん……、もう一回……友だちと……サッカーやるんだって……。

 だから……シュウトくん……リハビリを頑張っているのに……。

 なのに……。

 ……もう二度と……歩けないなんて……。

 ひどいよ……。


「……さくらちゃん……ゴメンね……」


 わたしの表情を見て、シュウトくんのお母さんがわたしに謝る。

 何で……シュウトくんのお母さんがわたしに謝るの……?


「……さくらちゃんに辛い思いさせちゃったね……」


 ……辛いのは、そんな息子であるシュウトくんを支えている……お母さんの方だよ……。

 ……でも……シュウトくんのお母さん……。

 …… 一番辛いのは……シュウトくん本人だ……。


「……ねぇ、さくらちゃん……」

「はい」

「……こんなこと言うの……変だけど……、これからも……シュウトの友だちでいてくれないかな……?」


 ……これからも……シュウトくんの友だちで……?

 ……わたしは……。


.

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