収集した情報[悪意ある小話]

・巨大電子掲示板の過去ログ「大変なことが起きてしまいました」より引用


 001:母について:16/10/21(金) 23:09:44 ID:???

 お話を聞いてもらってもよいでしょうか。認知症の母についてです。


 009:母について:16/10/21(金) 23:09:44 ID:???

 温かいお言葉ありがとうございます。私の母は六十代から認知症が出始めて、夫と相談し昨年から同居することになりました。たまに幻覚や幻聴が出たり記憶違いすることもあるのですが、日常生活にはさほど問題なく、まだハイハイ練習中の息子の遊び相手にもなってくれることもあります。それが先日、トラブルを起こしました。


 017:母について:16/10/21(金) 23:15:10 ID:???

 その日は私と夫の結婚記念日ということもあり、ささやかながら奮発した夕食にしようということになりました。子どもを園に迎えに行くついでに食材は買い出したのですが、夫の好きなワインを買い忘れたことに気づきました。迷ったもののいつも帰りの遅い夫に頼むの更に帰りが遅くなるので、子供部屋でお気に入りのビデオを流して、それに息子が夢中になっている間に一人で近所の酒屋まで買いに行きました。


 023:母について:16/10/21(金) 23:21:56 ID:???

 家に戻ると、大鍋から湯気が湧く音が聞こえてきました。母がキッチンでなにやら調理しているようなのです。危ないからやめてと声を掛けるも、「少しくらい手伝いさせなさい、あなたたちの記念日でしょ?」と母は笑いながらキッチンから出てきました。比較的調子が良さそうに見えたので、それとなく気にしつつも私は洗濯物を取り込むことにしました。そうしている中で、母が言います。

「あなた昔からゆでたまごが好きって言ってたじゃない。折角だし作ろうと思ってね」

 母は私が子供の頃に言ったのをふと思い出したのでしょう。今はそれほど好きというわけではないのですが、私は母親の思いやりに心を打たれました。


 032:母について:16/10/21(金) 23:39:06 ID:???

 洗濯物を畳んでいる私に母はのんびりとした口調で、

「だけど、ゆでたまごが好きだなんて変な好みよね」

「そう? 子どもの好みなんてそんなものでしょ。……なんていうか、小さい頃、私のためにお母さんが何かを作ってくれるのっていうのが嬉しかったのよ」

「あら、私そんなことしたかしら」

「してくれたたから、私の好みになったんでしょ」

「そうかしらねえ。ゆでたまごなんて、作った覚えないけどねえ」

 やはり、記憶はあやふやなのでしょう。それでも私のためにと調理をしてくれる母が愛おしくて、私は目に涙を浮かべました。そんな顔をしていることを悟られたくなくて、母に背を向け続けました。


 039:母について:16/10/21(金) 23:55:16 ID:???

「さあ、出来たわよ。初めて作ったから美味しく出来たかわからないけれど」

 ありがとう、と言いながら鍋をゆっくりとかき回す母の後ろに近づいたところ、ゆで卵を作っている割には、鼻につんとくる臭いに驚きました。鍋の中に入っていたのは、やや大振りな手羽元に似た、ごろごろとした肉の塊でした。

「……え、お母さん。なにこれ?」

「だから、ゆでたまごよ。あなた好きだったんでしょ」

「これ、お肉じゃないの。私、鶏肉なんて買ってた?」

 私の戸惑いを感じ取ったのか、母はぽんと両手を叩いて、

「ああ! ごめんなさい気づかないで。私には『ゆでたまご』でも、あなたからしたら『ゆでたこ』になっちゃうものね。失敗だわ。いやあねえ勘違いが増えちゃって」

 からからと笑う母を前に、私は何も言えませんでした。

 そういえば、帰ってきてから息子の姿を見ていなかったのです。


 40:名無し:16/10/21(金) 23:58:55 ID:???

 ? どうした?


 41:名無し:16/10/22(土)00:01:41 ID:???

 意味が分かると怖い話じゃん


 42:名無し:16/10/22(土) 00:03:59 ID:???

 板違いだし、内容もアラが目立つし、なにより書いた奴の悪趣味で不愉快な顔がチラついてきてムカつく。さっさと落とせよこんなクソスレ


【筆者メモ】

 ものがたり

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