収集した情報[三県境の赤い廃屋]
・個人HP「関東近辺心霊スポット巡回部」より引用
No.214[三県境の赤い廃屋]
危険度レベル☆☆☆☆☆《最凶》
三県境とは、三つの都道府県の境界が集まる地点のことである。
ある世界とある世界を区分けする境界線は、吹き溜まりになりやすい。良からぬものが集まれば、やがて転じて「魔」を導くこともある。
故に、古来から境界というものは常に危険視されている――No.007の[橋姫]の特集記事をはじめとして、何度も触れてきたことだろう。
もちろん、この三県境とて例外ではない。首都圏某所にある三県境のそばには「赤い廃屋」という心霊スポットが存在する。
知名度自体はそれほど高くない。おそらくこれを読んでいるオカルトマニアの諸君の中でも知らない人のほうが多いのではないか。というのも、その赤い廃屋の敷地に足を踏み入れてしまった者は、必ずすぐに死ぬか発狂してしまうからだ。
そんなに凄い心霊スポットであれば有名になっていないのはおかしいと思う方もいるかもしれない。しかしそれは、間違いである。
ご存知だろうか――感染・発症までのスピードと致死率が異様に高いウイルスは、むしろ世界的には広がりにくいことを。それと同じことで、あまりに凄まじい呪いを振りまくスポットは有名になりにくい。関わった者が、噂を他者に伝える前に死んでしまうからだ。
私は偶然その場所を発見した。
あまりに禍々しいオーラに近づくことさえ出来なかった。
場所は伏す。
見つけたとしても絶対に敷地内に入ってはならない。
入ってしまった者は巨大な亡霊の顔が視えるようになる、十年ほど前に危険なカルト団体の幹部が出入りしていた、悪魔崇拝者の儀式が失敗して禁足地と化した、などと様々な真偽不明の情報があるが、詳細は不明。
【筆者メモ】
足りない。
もっと、情報を集めないとならない。
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