友人作家とのやりとり2
2022/10/26
K:ま、戸締まりしっかりしとけばいいっしょ(15:54)
RINTO:そうだね (16:12)
――新たなメッセージを受信しました――
2022/11/12
K:[写真が送信されました](21:54)
K:[写真が送信されました](21:55)
K:おーい (21:55)
K:寝てんのかーい (21:55)
2022/11/13
RINTO:ごめん、普通に寝てた (05:12)
RINTO:なに、飲んでたの? 私もいきたかった (05:12)
K:就寝も起床も早くてウケる 老人かよ (08:01)
RINTO:うるせ~~~ (08:39)
K:実は■■■■■■■■の担当と飲んでた 打ち合わせ兼ねて(08:40)
RINTO:編集との飲みって本当に存在するの? (08:45)
K:えぇ…… どうした どういうこと (08:55)
RINTO:私の担当「緊急事態宣言明けたら飲もう」って言ってたのに、明けたら明けたで「まん延防止明けたら飲もう」に変わって、それも明けたら「機会あったら飲み行きましょう」とすら言われなくなったんだけど (09:15)
K:それは単純にお前と飲みたくないんじゃない? (09:19)
RINTO:(殺意を表す顔のスタンプ)(09:26)
K:それでさ、担当べろべろに酔わしたらちょっと分かった (09:30)
RINTO:なにが (09:35)
K:禁忌題目リストのこと (09:35)
RINTO:本当に? (09:36)
K:あれ、結構しっかりいわくつきのモノらしい (09:36)
RINTO:どういうこと (09:36)
K:俺も飲んでたから全部は覚えていないんだけどさ、 (09:37)
K:リストの中には「中東の宗教文化に批判的なもの」があって。なんでリストに入ったかっていうと、かつてそれを扱った著者が向こうの関係者を怒らせて、著者が何者かに殺されちゃったからなんだと (09:38)
RINTO:(戸惑いを表す顔のスタンプ) (09:38)
K:あと「2005年の鎌場議員の死について」。ある利権団体の解体推進派だった議員が、部屋で首切って一滴の血も零さず自ら車を運転して橋の欄干の隙間から落ちて死んだのに、事故死処理されたやつ。闇深い系だな (09:39)
RINTO:(思案を表す顔のスタンプ) (09:40)
K:あと、過去に訴訟問題に発展したからとか、人権屋云々のとかもあったかな? いくつか教えてもらったんだけど忘れたわ。酒も入ってたし (09:40)
RINTO:えっ 扱っちゃいけないってのは (09:40)
RINTO:普通に危険だからってことなの? (09:40)
K:だな。マジでガチなやつでびっくりしたわ (09:41)
RINTO:いや、それさ(09:43)
RINTO:本当だったとしても、おかしくないかな (09:43)
K:おかしいって? (09:44)
RINTO:そういうのと『日常生活に溶け込む「顔」の怪異』が同列にリスト入りしてるの、おかしいでしょ。カルト団体関連が実害あって危ないのは分かるけど、怪異なんて実在しないものを扱いNGにする理由はないじゃん (09:47)
K:ああ、そういうことな (09:48)
K:そっちは実はわかってる (09:49)
RINTO:もうわかってるの? 教えてよ (09:49)
K:藤石宏明だよ (09:49)
RINTO:誰それ (09:49)
K:お前、マジで知らない? (09:56)
RINTO:うん 有名なの? (09:56)
K:マジかよ『殺人短編集』とか読んだことない? 中学の時に貸さなかったっけ?てかお前、あの名作家の作品を避けて作家してるとか逆に凄いな。ちっとは他人の小説に興味持てっての (09:58)
RINTO:お小言はいいから。それで、その人は作家なのね? (10:00)
K:レジェンド作家だよ。十年くらい前に断筆して失踪しちまったけど (10:00)
RINTO:え、なんで (10:00)
K:当時から色々推測はあったけど、結局はわかんね。というか本人以外わかりようないっしょ。鋭意新作執筆中って発表はされてたのにさ (10:02)
RINTO:行方不明になってるの (10:03)
K:ああ。それで、俺の担当編集。当時の藤石宏明の担当と仲良かったとかで、いろいろ聞いてたらしいんだよ。藤石宏明が失踪前に準備してた新作はホラー短編集の続編だったとか、最終話に何を書くか珍しく直前まで悩み続けてたとか、 (10:03)
RINTO:うん (10:03)
K:藤石宏明、失踪前……どんな話を書こうとしていたと思う? (10:04)
RINTO:なにその突然のクイズ形式 (10:05)
K:ホラー短編集のトリだし、特別禁忌感あるのを書きたがってたって (10:05)
RINTO:え、まさか (10:05)
K:そう。『日常に隠れた「顔」の怪異』の話だったんだと (10:06)
RINTO:うそ、同じじゃん、本気で言ってる? (10:08)
K:当時からすでに「禁忌題目」のリストに入ってたけど、それを知った藤石宏明はむしろ燃えちゃってさ。その話で許可が出ないならもう完成させないって言って編集部側を無理やり折れさせたんだとさ (10:10)
RINTO:え、でも結局は、出版されてないんだよねそれ (10:11)
K:そりゃそうだ。断筆宣言出して失踪したんだから (10:11)
K:そんな昔のトラウマがあるから、編集部も頑なにNG出すんだろうな (10:11)
RINTO:これってさ、やばいよね (10:16)
K:ああ、ヤバイな (10:16)
RINTO:めっちゃ、ワクワクしない? (10:16)
K:(激しく共感を示す顔のスタンプ) (10:16)
K:だろ? 担当からそれ聞いた時、俺もう声上げて爆笑よ。展開として楽しすぎだろこんなのさ。そのネタで書こうとしたら気でも狂うのかね? いやマジでお前書けなかったらすぐ言えよな、俺に書かせろよ (10:17)
RINTO:いや、絶対私が書く 何が起こっても書ききるから(10:18)
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