生きる理由

@Kotoneiroha

生きる理由①

少し、波の音が聞こえる。

サイダーが氷の間をうねり、うねり落ちていく。

立ち上るような夏の暑さに少しだけでも抵抗しようと、冷房のスイッチを入れてまたサイダーを注いだ。


私は「死のう。」と思っている。


あれは8歳の時、小学2年生に上がった時。

家に帰ると見知らぬ敵がいて、その敵は母と仲睦まじく座って駄弁っていた。

ちなみに私に父はいない。いないというのは言い過ぎかもしれないが、父が死んだのは私がまだ1歳の頃だ。過言ではないだろう。

その日からが地獄の始まりだった。明くる月、母は二度目の入籍を果たし、家には日常的に敵が居座るようになって行った。

それは私が父親もどき、いや、人間もどきの買ってきたケーキを気に入らなかった時に始まった。

「食べたくない。」と言った私の脳天には大きな衝撃が走り、その後、赤い血が濁流のように流れていた。

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