第6話

 僕の家に揃った三人の不法侵入者たち。


 腰まで伸びる黒いきれいな髪に髪色と同じく黒いきれいな大きな瞳。

 出過ぎず、足りなすぎず、絶妙でバランスの良い体つきをしている絶世の美少女と言えそうな女の子。


 肩くらいの高さで短く整えられた黒い髪と黒い瞳。少しだけ焼けた褐色の肌を持つ顔立ちがひどく整った端麗な美少女。

 そんな彼女の中で何よりも目を引くのは圧倒的なデカさであろう。

 170cmちょっとある僕よりも遥かに高い背丈に加えて胸やケツ、太もも……その体の何もかもが大きく、非常に魅惑的だった。

 

 日本人とは思えない白髪に紅い瞳に加えて、まるでお人形さんのように小さく細い白い体。

 どこか浮世離れした別次元の神々しさと美しさをその身に持つ少女。

 

 たとえ、ここが芸能界であったとしても見劣りしないどころか逆に圧倒するほどの美しさを持った少女たち三人が今、僕の部屋へと勢ぞろいしていた。


「せめぇ」

 

 僕は現在親元を離れての一人暮らし。

 一人で暮らすには十分なワンルームの部屋でしかない。

 僕に加えて三人も追加されたら定員オーバーだ……特に巨女。あいつはダメだ。クソ邪魔。


「……なんであんたらが?」


「……私たちの家に如何用でしょうか?」


「……臭い」


 急に人口密度が上がり、一気に熱気がこもり出した僕の部屋……そして、そんな部屋を冷やすかの如き勢いで殺気すら醸し出しながらバチバチに睨み合い出す三人。


「睨み合うな、テメェら……女同士の同窓会をここですんな。ファミレス行ってこい」

 

 そんな三人へと僕はぶっきらぼうに告げながれらキッチンの方に向かい、古海が買ってきたレモンティーの大きいペットボトルの蓋を開け、口をつけてのどを潤す。


「っごく。さて、とりま出て行ってくんね?熱い定員オーバーじゃい」

 

 僕は今、自分の部屋の中に集結している三人。

 レモンティーを買ってきた相川古海。

 

 そして、色肌の巨女こと増田愛梨。白髪赤目の少女こと霧崎神楽。

 流石に古海を思い出した後ならばわかる……この二人もまた、僕が小学生の頃、適当に心を病ませて僕に依存させた少女たちだ。


 小学生の頃、僕が手をかけた女の子三人たちへと僕は一切の愛想なしでぶっきらぼうに出ていくよう言い放ったのだった。

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