好感度ゲージが俺にだけ見えるけど全く上がらない

御霊

第1話 好感度

モテたい


そう思う人も多いことだろう。俺だってそうだ、だけど・・・


モテない!!


なぜだ!?俺はラノベの中の主人公じゃなくってその主人公の踏み台ということなのか??


うおおおぉぉぉん!!!俺だってモテたい!!美少女の女友達はいるのに全くと言っていいほどにモテない!!どうしてだ!


俺はモテたい!!最近ではそれが口癖になっている。


「よう」


「モテたい」


「そうだよな、モテたいよな」


そういえば俺の名前を言っていなかったな!いまじなりーふれんど!

俺の名前は佐々倉友樹、樹という文字を使っているが虫や草が苦手だ。


「それで?今日はどういう妄想してたんだ?」


「いまじなりーふれんどを作っていた」


「近寄りたくなくなってきたわ」


そういって俺に唯一、『唯一』話しかけてくれる男は陣内。なぜか下の名前は教えてくれない。先生が出席とる時もこいつだけフルネームじゃなくて名字で呼ばれるそんな謎の男である。


「モテたいって言ってもお前話せる女子とかいるのか?」


「いるわけねえだろ」


「ちなみに仲良くなった女子に最初に何をする?」


「告白する」


「馬鹿だな」


「じゃあ?お前にはいるのかよ!?おぉん!?」


「いないが気になっている子はいるぞ」


「はっはー!やっぱりな〜!でも気になってる?」


「ああ、お前の隣で本読んでる子」


「あら、お似合いじゃない〜」


「応援してくれよな」


「地雷仕掛けておくね♡」


「なるほど・・・それで彼女を守ってポイントを上げろってことか」


ふん!青春クソ野郎め!そんなこと言っていられるのは今のうちじゃい!


でも・・・俺なんでモテないんだろう?


   *


ここはひとまず帰ろう。帰って寝ようそして泣こう。


はぁ・・・好感度とかが見えたらモテやすくなるんだろうな・・・


【了解しました!】


ん?変な声が聞こえたが耳鳴りだろうか?そっか、俺もそんな歳か・・・


家に着くと母さんが出迎えてくれた。


「おかえりなさい」


「ああ、ただいま・・・ってなんか頭に付いてるよ?」


「あら?さっきころんだからホコリでもついているのかしら・・・?」


「ホコリじゃなくて、その・・・棒みたいなのが」


「棒?流石についてないわよ」


そう言うと母さんは頭についたその謎の棒を払おうと手を近づけるが。


スカッスカッ


何故かそれは取れずに母さんの頭についている。


「ホコリなんてついていなかったわよ?」


「でもまだ付いてるし・・・」


「はあ・・・何言ってるんだか・・・私の息子がおかしくなってしまったわ」


俺は家から飛び出し、周りにいる人の頭を見た。


母さんの頭にある棒状のものがついていた。なにかのゲージみたいなものにも見える。


「も、もしかしてこれって・・・!?」


俺は確信した。これはあの有名なラノベの鉄板と言ってもいい出来事だった。


「好感度が見えるだとぉぉぉぉ!!???」


街中に俺の声が響き渡る。


その後には俺の方に視線が刺さる。不審者を見るような目で俺のことを見てくる。


俺はその視線で冷静になり、ペコペコと頭を下げながら家に戻った。


母さんが病院に連れて行こうとしたが・・・


「頭がおかしくなったんだわ!!そうに違いない!」


「違うよ!!母さん!!これはその・・・そう!高校生特有のあれだ!」


「高校生の特有のあれ?ちょっとーー!!お父さん来てーー!!」


「どうしたんだ!?」


「この子がいきなり外に出て叫んだの!!」


「あ〜それは高校生特有のあれだ」


「・・・」


母さんの顔は『何いってんだコイツら』と言いたげの顔をしていた。


「お父さんがそう言うなら・・・そうかも知れないわね」


よし!ここを乗り越えた。


「今度からは急に叫ばないようにね?」


「わかった」


そう返事をすると満足したような顔で母さんはうなずく。


あ と が き

急にアイディアが浮かんできたのでこっちも夏休み中に執筆していきます。

もう一つの作品の方もよろしくお願いします!

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