第9話ラニーの相談事
「あの事ってなんですか?」
「えっ、でもこんな子供に…」
(うっ、見るからに嫌そう…まぁ見た目は5歳の子供だし…)
「でも、視点をかえてみるっていうのも一つのてだと思うよ。」
「じゃあ……私は、夫のフーゴと一緒にロゼの花を育てる農家をやっているんだけど…」
(ロゼの花…あ、あのバラににた花のこと。っていうかラニーさんが農家って私の予想ドンピシャ…やったね!)
「それで…何が困っているの?」
「実は、今年は気候があまりよくなかったから見た目の悪い花が育ったんだよ…そしたら仲買がいつもの半値なら買い取るっていってきたんだ。」
(ロゼの花は、甘い香りと優雅な見た目で人気の花だから見た目が悪いと…仲買の判断は厳しいけどあってる。)
「私たちは専業農家だから、これが一年間の主な収入源なんだ…仲買の言い分もわかるけど半値にされたら私たちは生活できなくなる。」
「だから、叔母さんは私に相談しに来ていたの。」
「そうなんだ。」
(私の知り合いで一番高く買い取ってくれそうなのは、大通りの高級店を営むナティーさんだけど…見た目が悪いと買い取ってくれないと思うし…。)
「なぁ、リディー…ナティーさんに相談してみないか?」
「タルカ…私も今そう考えていたところ」
(ダメ元で行ってみるか…)
「ごめん、ハマカさんちょっと出掛けて来る。タルカ行こう!」と私たちはハマカさんの店をあとにして、ナティーさんの店へと急いだ。
「タルカあと少しでお店につくよ。」
「ああ。あれ、中が…暗くなってないか」
「えっ、うそ!なんで…」
(そう言えば出掛けるって言ってたけ…。)
店の前についたはいいが、店のドアには閉店したとかかれた小さい看板かけられていて電気も消されていた。
「そりゃ、ナティーさんも忙しいよね。こんな大きい店の店主だもん。」
「どうする?ナティーさん待つか?」
(ナティーさんがいつ帰るかわからないし…どうしよう…)と私が困っていると「…リディー?」と後ろから声がした。振り替えると、外に出掛けるようの衣装に身を包んだナティーさんが立っていた。
「やはり、リディーでしたか。どうしたのですか?」
「あっあの…。」(どうやって切り出そう。いきなり買ってなんて言えないし。)
「旦那様、とりあえず中に入っていただいてはいかがでしょう?」とカタフさんが提案してくれたのでナティーさんはお店の鍵をあけ中に入った。
「あの…ナティーさんって花とかって興味あります?」
(なんか変なスタートになってしまった…)
「花ですか?今はあげるような女性は…」
(花=女性…確かにそうだ…この世界では…)
「いえ、あの女性ではなくて。」と私がどぎまぎしていると後ろにいたタルカがラニーさんの話をしてくれた。
「そうですか…私もなんとかしてあげたいのですか…」とちらっとカタフさんを見る。カタフさんはダメと言わんばかりに首を横に降った。
(ナティーさんは優しい人だから…お店的にも店のテイストと生花は合わないよね…。ダメ元だったし…。)
「せめて、加工品なら…」
(加工品かぁ…でも花の加工品って…)と私はナティーさんの店を見回した。
(はっ…香油…香油ならおいてもらえるかも…)
「ナティーさん、ロゼの花の香油ならおいてもらえますか?」
「香油ですか…確かに私の店には香油がありますが、ロゼの花の香油は扱ったことはありません…」
(少し考えている様子、ここで畳み掛けよう)
「じゃあ、完成品を見て判断してくれませんか?」
(ナティーさんは一応大店の店主だし…商人としての目は確かだと思うし…)
「わかりました。そうしましょう。」
(やったー!話は取り付けることができた!)
「そうと決まればタルカ、ハマカさんのところに行こう!」
「ああ、そうだな!」と私たちのハマカさんの店に向けて走り出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます