第6話

僕の部屋から中庭を一望できる

しかし、出入りができないように

常に窓には施錠されていた

明日の法要を控え、早めに床につく


ぐわぁ…

ぼしゃん…カラカラ…

中庭からかすかだが、物音と悲鳴が聞こえた


ん~~!!

僕は金縛りにおそわれて、動けなくなる


中庭から、読経する声

人が僕の部屋に入ろうとしていた


ビッシャ…ビッシャ…と足音がする

……おいおい…やめてくれ…

固く目をつむり、息を殺す


ピシッ…窓にヒビが入る音

僕は金縛りを解こうともがく

……来るな!来るな!

足音はビッシャ…ザザッ…と

部屋の中をうろつき始めた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る