シール
おまえ
わたしの真ん中 を
じんどり
“こんなはずじゃなかったのに”
と泣いている
わたしはおまえ を
なぐりつけ
“だれもたすけてくれない”
とさけぶ
泣きつづける おまえを
きえろきえろと
一心に なぐりつける
わたし
おまえの消し方 を
たぶん わかってるのに
ずっとなぐりつづけている
※※※
だきしめて なんて
言えないから
お互いに
※※※※
何か、とても気がかりなものがあるとき、目をつむっても、ずっとそれは見えているような感覚におちいります。消えるようにいくら念じても、ずっとはりついて剥がれてはくれません。耳鳴りがするくらいに静かな夜は、それを剥がす方法を、じっと考えています。けれどそうして思い付いたことを、私はまだ実行できずにいるのです。
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