第34話
「ここが鑑定の儀の会場ね」
広い豪華な会場には、新入生達が四つの列を作って並んでいた。
あの列の先に魔力を測定する石盤があるのね。
すると、一緒に来ていたレオ王子が話しかけてきた。
「ここには料理がないから安心だが、お前は余計な騒ぎを起こすなよ?」
「わ、わかってますよ!! そんなに心配しなくても大丈夫です!! あと、私そこまで食い意地張ってないです!!」
「はぁ...だといいんだがな。ほら、お前の友達が呼んでるぞ」
彼が顎で指した先を見ると、アシュリーとジェシカが手を振っていた。
あっ! 二人とも待っててくれてたんだ!!
私は二人のもとへ駆け寄る。
「ごめんごめん! 二人とも待っててくれてありがとう!!」
「無事到着できてよかったです!!」
「中々来ないので、何かあったのではと心配していたんですわ」
「心配してくれてありがとう!!ま、まぁ。ここに来る前に色々あったんだけどね...」
私が最後の方をボソッと呟くと、二人は不思議そうな顔をした。
うぅ...ソフィアとの初対面があんな形だなんて...
私は彼女とぶつかった時のことを思い出す。
あぁ...嫌われちゃったかな...
そして、私はトボトボと列に並んだ。
◎
「あ、もう少しで私たちの番ね」
ちょっとだけ緊張してきたな〜。
鑑定の儀って、特殊な石盤を使うんだっけ?
確か、魔力量に応じて石盤が光って、その光の強さでクラスが上から順に、S、A、B、C、Dのどれかに分けられるはず。
あっ! 隣の列で、先にソフィアが魔力測定するみたいだわ!!
ゲームだとここでSクラスになって、レオ王子と、魔法省長官の息子、ルイの興味を引くのよねぇ〜。
恐る恐る石盤に手を当てて可愛いわ。
すると、石盤は強い光を放ち、瞬く間に全生徒が彼女に注目した。
「ソフィア、キミはSクラスだ!!」
石盤の隣に立っていた先生がそう告げる。
「は、はひぃ!!」
あ、噛んだ。可愛い。
そして、今度はアシュリーの番が回ってきた。
「アシュリー、自分を信じて!!」
「アシュリー様ならきっと大丈夫ですわ!」
「はい!! 大丈夫です!! 私はお二人と一緒のクラスになるために頑張ってきたのですから!!」
すると、石盤の隣に立つ、鷲鼻で化粧の濃い先生が、眼鏡をクイッと上げてこう言った。
「あら、あなたリムート家のアシュリーさん? 魔法が全然使えなかったのにSクラスに入ろうとしているんですの?」
彼女は嘲るように笑った。
な、なによその言い方!! アシュリーはこの日のためにすっごく頑張ったんだから!!
私とジェシカで沢山魔法を教えたし、アシュリーも寝る間も惜しんで沢山練習してたのよ!!
私は苛立ってはいたが、正直、アシュリーの実力はギリギリ合格かどうかのラインだった。
なので、私は彼女の合格を祈りながら見守る。
ジェシカも同じ気持ちなのか、手を組んで祈っていた。
そして、アシュリーが石盤に手を触れた。
「う、うそでしょ!? え、Sクラス!?」
先生は、強い光を放つ石盤を見て驚愕していた。
「合格しました!! リリー様、ジェシカ様!!」
よ、よかった〜。
「これでアシュリーは無事Sクラスね!!」
「アシュリー様、良かったですわ!!」
そして、ジェシカも難なくSクラスに合格した。
「流石ジェシカ様です!!」
「おめでとうジェシカ!! 」
「ありがとうございますですわ。って次はリリー様の番ですわよ!!」
「あ、最後は私ね」
そして、とうとう私の番になった。
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