第2話
目が覚めた私は豪華なベッドの上だった。
「なんで私がラスボスのリリーなのよおおおおッ!!」
私は勢いよく体を起こして叫ぶ。
すると、目の前には驚愕の表情でこちらを見るリリーの家族がいた。
「リリー目が覚めたか!! パパは心配したんだぞ!!」
「らすぼす? リリーちゃんは一体何を言ってるのかしら。まったく......ママも心配したのよ?」
「らしゅぼしゅー!!」
短髪イケおじの父は喜びの表情をしている。
金髪で美人な母は安堵の表情をし、その腕で抱っこされている妹は両腕を上げて目を輝かせていた。
その場にいた使用人たちもほっとため息をついている。
うわ、こんなに沢山の人に心配かけちゃったんだ。なんだか申し訳ないな~。
これは謝らないとね!!
「お父様、お母様、ミリー、そしてみんな、心配かけてごめんね」
その瞬間、その場にいた全員が顔面蒼白になった。(妹のミリーを除いて)
「そ、そんな。お嬢様が謝られた!?」
「あ、ありえない......」
「リリー、まさか熱でもあるのか!?」
「い、今すぐお医者様を!! リリーちゃんが......リリーちゃんが死んじゃう!!」
「おいしゃしゃまー!!」
いや謝っただけでどんな反応だよ!! むしろ今の方がみんな心配してない!?
まったく......リリーは普段どんな態度してたのよ......
「お、お母様、私は大丈夫ですから、心配しないで!!」
「う、うぅ......そうなの?」
いやなんで泣いてんだよ!! リリー・リステンドって謝っただけでこうなんの!?
その時、私がいるベッドの傍にメイドがスライディング土下座をしてきた。
え、っちょ、なに!? え、ここ摩擦ある? 結構な距離土下座で滑ってきてたけどこの人大丈夫!?
「んもぉおおし訳ございませんでしたあああッ!!」
うわ、声でっか!!
「ど、どどど、どうしたの!?」
「私がお嬢様のおそばに居ながら、お嬢様におケガをさせてしまいましたッ!!
つきましては、私はどんな極刑でも受け入れる所存です!!」
いやどんな極刑でも受け入れるってなに!? もう極刑は決まってて、あとは執行方法を決めてくださいってこと!? いや、てかこんなことで極刑にしないよ!?
「あ、頭を上げて!! 今回のケガは私が転んだことが原因で、あなたは何も悪くないわ。そ、それに、あなたが迅速にお医者様を呼んで来てくれたことで、私はこうして元気に目覚めることができたわ。だからあなたはなにも悪くない」
その瞬間、またも周りの顔面が蒼白になる。
「お、お嬢様が人のせいにしなかった!?」
「あ、ありえない......」
「リリー、やっぱり熱があるのか!?」
「い、今すぐお医者様を!! リリーちゃんが......リリーちゃんが死んじゃう!!」
「おいしゃしゃまー!!」
だからなんでそうなるのよ!!
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