いけいけ勇者様17

最上司叉

第1話

そしていつものように魔族の女は魔王の婚約者のところに行こうとしていた。



「それでは行ってまいりますわ」


「待たれよ」


「?」


魔族の女は誰かに呼び止められた。


「なんですの!忙しいんですのよ」


とそこに魔族の女の父親がやってきた。



「いつまであの男に構うつもりだ?」


「いつまでなんですの?私はあの方と結婚しますのよ」


「あの方は魔王様の婚約者ではないか」


「時期解消しますわよ」


「お前も年頃なんだからあの方は諦めなさい」


「嫌ですわ!あの方は私の運命の人なんですのよ」


「…」


「お前と見合いがしたいと言う相手がいる」


「お見合いですって!冗談じゃありませんわ」


「…」


「見合いしなければお前をこの家に住ませるわけにいかない」


「なんですって!私が何をしましたの」


「とにかく見合いはしてもらう」


「嫌ですわ」


「おい、お前たち」


と言うと魔族の女は拘束された。


「なんですの!離しなさい」


「ご命令ですので申し訳ありません」


「嫌ですわー」


そして魔族の女は部屋に閉じ込められた。


「なんなんですの!結界までわざわざはって」


とそこにトントンとノックする音が聞こえてきた。


「今開けますわ」


そう言うと魔族の女はドアを開けた。


するとそこにはイケメンの男が立っていた。


「誰ですの?」


「はじめまして、貴女のお見合い相手です」


「そうですの…」


「貴方には悪いんですが私には心に決めた方がおりますの」


「まぁまぁ立ち話もなんですし座りませんか?」


「…」


「それもそうですわね」


何かペースが崩されますわ。


魔族の女はそう思った。


するとそこにお茶とお菓子が運ばれてきた。


「ありがとうございます」


お見合い相手が言った。


礼儀正しい方ですのね。


魔族の女は思った。



そしてたわいない会話をしているとあっという間に時間は過ぎていた。


「では私はこの辺で失礼します」


「まぁもうそんな時間ですの?」


私は少し名残り惜しい自分に驚いていた。


「また会って頂けますか?」


「気が向いたらですわ」


「ありがとうございます、では失礼します」


魔族の女はまた会えるのかと少し楽しみになっていた。


ふと我に返り私にはあの方だけですわとお見合い相手のことは考えないようにした

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

いけいけ勇者様17 最上司叉 @moemee

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

参加中のコンテスト・自主企画

同じコレクションの次の小説