多分最後になるかなって、そんな気がした日。


何の気なしに箪笥を漁ったら、一度も着ていなかった服を見付けた。


友人と一緒にお揃いで買った服。

自分には似合っていない気がして着れずにいたら、「絶対似合うから今度お揃いにして遊びに行こう」って言われたっけ。

残念ながらその機会は訪れなかったけど。


いつまでも箪笥の肥やしにしておくのも悪いし、いい機会かもしれない。


そう思って初めてその服を着ていつもの場所に出かけた。




いつもの場所で美しかった花はもう大分萎れていた。


かつての美しさはもう衰えているはずなのに、それでも心を掴んで離さない不思議な花。


せめて最期は一緒にいたくて水と花瓶代わりになりそうな容器は持ってきていた。


根っこから掘り出そうとして初めて花の生えている所を掘ったけど、意外と柔らかい。


でも意外と根っこが長い?


それに何かに絡みついているような?

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