(四)-4(了)

 数歩歩くと、ケリーは振り返り、俺に言った。

「今回の合同訓練はこいつの性能評価試験だったんだ。いいか、この件は最高機密だ。誰にも言うなよ。そうでなければ、自衛隊にお前の居場所がなくなるぞ」

 ケリーはそう言うとオスプレイに乗り込んだ。

 オスプレイはエンジンを地表に向けて噴射させて離陸した。そしてエンジンの向きを変えて南の方へ飛び去っていった。オレンジ色に染まりつつある空の中で見えなくなるまで、俺はずっとそれを見つめていた。

 俺は、ヤツに二度目のKOを喰らわされた気分だった。


(了)

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二度目のKO 筑紫榛名@次回1/19文学フリマ京都9 @HarunaTsukushi

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