(四)
「作戦終了、各部隊、直ちに撤収せよ」
インカムのレシーバーは司令部からの無線をそう伝えていたが、俺はまったく気づかなかった。
もともとこの作戦は特殊部隊からの脱走兵エイブラハム・アイアンズ曹長を逮捕することだ。殺すことではない。
もちろん殺せと言われればいくらでも殺すチャンスはあったのかもしれない。しかし、わざわざこの演習場まで誘導したのだから、殺すのではなく、きちんと逮捕してやりたかった。
個人的には、俺の左頬を殴って気を失わせるほどいい拳を持ったヤツを、例え外国人であろうとも殺したくはなかったというのもあった。
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます