(二)-6

「来ます、正面二〇〇メートル!」

 第一分隊所属の狙撃手である六反地陸郞の声だ。

 全員の銃口がそちらを向いた。

 俺は車でゴルフ場方面への道を封鎖するように止められているトラックのところで拳銃を抜きながら司令部に「まもなく会敵する」と報告した。

 すると司令部からは「実弾の使用を許可する。また、目標は殺すな。必ず生きて確保せよ」とも来た。

 無茶を言ってくれる。相手は七人の特殊部隊員の囲みを突破できる実力の持ち主だ。生きて捕らえるのは至難のワザだ。追跡した米軍の特殊部隊が怪我でも負わせていれば、また話は別だろうが、それも期待薄だ。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る