第3話


 僕は頭が可笑しくなってきた。

親にも警察にも言えない。

しかも、あんなにイヤな事をされたのに身体は、あの男を求めている。

僕は気が変になる。

母親と父親は心配して大学病院の精神科に僕を連れて行った。

僕は医師と2人きりで話をした。

僕は「あの日ある男にレイプをされた、だけど忘れられなくて、あの男の事を忘れられないでいる」と話していた。

医師は「悠くん、それはPTSD心的外傷後ストレス障害だから、ゆっくり治していこうね」と優しく言っていた。


 医師からは両親に病名を伝えられていた。

そして、あの日の出来事も話していた。

ただ、両親も僕の将来にも関わる事なので警察には被害届は出さないでいた。


 そんな、ある日テレビのニュースで「松山吾郎(30歳)無職が少年に、わいせつな行為をして強制わいせつ罪で逮捕されました」と流れていた。

僕は涙がポロポロと流れていた。

あの男が捕まった。

僕は嬉しかった。

でも、あの日の出来事だけは忘れられないでいた。

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