第2話 トンカツ屋の浜勝にて



 トンカツ屋の浜勝では、いつもはカツ丼を食べています。分厚いカツの上に卵とだし汁がたっぷりかかっていてとっても美味しいんですが、今回は「オランダカツ御膳」を食べました。



オランダってところが興味しんしん。江戸時代初期にオランダから来た食文化の中には、天ぷらもあるという話も聞いています。トンカツ屋で天ぷら? ありえなーい。


カツといっしょに、風車のおもちゃが回っているとか。


もしかして東北ふうにかくれんぼ?


「どこにおるだ?」


「ここにはオランダ」




オランダカツ。野球のワールドシリーズでしょうか。敵のオランダを食って勝つとか。


夫がこのメニューをネットで見つけて、「食べてみたい」って言い出したのがきっかけでした。わたしも賛同しました。たまには、別なものも食してみたいじゃないですか。

 


 オランダカツ御膳のごはんは白飯で、味噌汁は赤だし。肝心のメインディッシュは、たしかに切ってある細長いカツでした。切り口の真ん中が純白でトロリ。

「これ、なに?」

 わたしが聞くと、夫は、

「チーズが挟んで揚げてあるんだよ。昔の人は洋風のモノはみんなオランダと呼んでいたんだ。これをすりおろしごまとタレで食べるとめちゃうまい!」



 観察してみるとカツはミンチになっていて、発色もよく美味しそうです。タレの中のごまを付けて食べました。

 じわり、と肉汁と共にチーズの芳醇な味わいが口の中に溶けていきます。



「いっしょについてきたキャベツは、蒙古の塩で食べるといいらしいよ」

 夫が、ミルのついている塩をキャベツに振りかけました。


塩分取りすぎ。



「うーん、なんだかキャベツが苦い……。やっぱりキャベツはドレッシングで食べるのがいちばんだな」

 蒙古だけに、モウこりごり。

 浜勝は、秋になったらカキフライも出してくれます。今から楽しみです! 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る