お昼休みとたらこ

 純子さんは…オレと練習したいって言ってたけど…もしかしてオレとキ、キスしてもいいってことなのかな⁉︎

 

 もう、間接キスしちゃってるし…。

 

 練習…。

 

 ラップ越しならいい⁉︎

 ならティッシュ⁉︎

 ハンカチ…もありなんじゃね?

 

 …

 

 でも、やっぱりそこは練習なんかしなくても許嫁とするのが一番だと思うよね。

 

「あの、純子さん。」

「はい。」

「やっぱり、オレ練習とかは…」

「そうですよね。やっぱりキスは、好きな人としたいですものね。」

 と俯いた。

 

 あー…、めっちゃ落ち込んでない?

 

 そんなに練習したかったんだね…。

 

 

「あ、ならさ…ぬいぐるみ‼︎」

「え?ぬいぐるみ…ですか?」

「うん!どうかな?」

 

 …

 

「わたし…ぬいぐるみ持っておりません…」

 

 えっ…?

 女の人って一つはぬいぐるみ持ってそうなのにな…。

 

「あー、あ‼︎たらこ‼︎」

「え?たらこですか?」

「うん、たらこがくちびるの感じに似てるとかって聞いたことあるよ。」

 

「わかりました。」

 

 純子さんは、わかったって言ってたけど…納得してくれたのかな?

 

 一応…ぬいぐるみ持っていってあげよう…かな…?

 

 でも、オレ最近買ったの青鬼のぬいぐるみしかないんだよな。

 

 夢で見た青鬼そっくりだったから思わず買ってしまったけど…こいつに純子さんがキス…するのって…なんか嫌だーー‼︎‼︎

 

 って事で、布団に青鬼をゴロンと置いてきた。

 

 そしてお昼休みオレは純子さんのお弁当をみてゾッとした。

 

 なぜなら、白米にどどんと二本たらこがのっているではありませんかっ‼︎

 

「あの…純子さん?」

「はい。」

「たらこ…」

「ええ、はい。たらこです。」

 そういうと純子さんは、箸でたらこを持ち上げた。

 

 ま、まさか今ここでたらことキスのお勉強を⁉︎

 

 ちょっ…

 

 オレがとめようとすると、純子さんは何のためらいもなくたらこにチュッとした。

 

 …

 

 あぁ…、純子さん。

 あなたは、もしかしてファーストキスたらこ…なんじゃ…。

 

 ‼︎

 

 純子さーーん‼︎

 

 次の瞬間、オレは目を疑った。

 

 純子さんは、そのままたらこに吸いつきむしゃむしゃと食べ出した。

 

 あー…えっと…。

 

 オレが呆然としていたら純子さんは、

「このまま、いただいたのでキスはノーカウントです」

 とニッコリ微笑んだ。

 

 あー…

 

 なんか色々衝撃的でびびったお昼休みとなった。

 

 続く。

 

 

 

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