第7話 ダークエルフ姫
王様に貰った王都の屋敷に引っ越したが、早速ダークエルフメイドに、嫌な顔しておパンツ見せられた。
「クッ、この体を自由にできたとしてもっ、我が心までは穢せないっ、殺せっ!」
姫騎士にでも当たったようだ。
最近エルフ王国かエルフの里でも滅びて、難民指定でも受けて移住して来た奴らいたっけ? いるんだろうなあ。
多分、王国か貴族家の再興でも願っていて、まずは家主に体売ってでも金稼いで、仕えていた姫か、妹やら弟の為にお家再興するらしい。
この手の奴は無償で魔族とか退治してやって「俺の嫁になりさえすれば、お家再興」的な話になるとデレるんだろうが、面倒なのでしない。
「あっ、そう」
身体を差し出すのが高給の条件だったのか、嫌な顔しないでおパンツ見せてくれた。
「ちょっ、ちょっと待てっ、何もしないのかっ?」
「王様の使用人から何命令されてるのか知らないけど、お前の仕事は俺を眠らせる事だ。人間が使えない精霊術でも魔術でも何でも行使して、七魔将タナトスの赤き眠りの魔法でも眠らせる事ができなかった俺を、ジックリ眠らせるのがお前の任務だ」
「はぁ? 私の体が目当てではないのか?」
「ソッチの「眠らせないよ」の系統の願いはどうでもいい。俺を眠らせろ」
「わ、分かった」
難しい系統の奴で、話一切通じない系の「その汚い手を姫様から離せっ!」と喚きたてて、その姫様の命救ってやったばっかりの男の間に割り込んで来る系の馬鹿かと思ったが、一応話通じた。
でも、頭の中で話し代わってて「コミケの売り子に呼ばれて、他の子もいたのに是非にと言われて行った。多分顔と体目当て。座ることも許されないで、そのブ-スには椅子一個規制で座れなかった。昼の用意してなかったけど、食べかけのサンドイッチを食べさせられそうになった(店屋物で男から先に手を付けただけ、食べ掛でも何でもない新品)。帰りには延々自分語り、こちらの言うこと聞かなかった」な~~~~んて話に書き変わってる被害妄想クソ女だろうから、後で爺さんか誰かから、どんな内容に書き変わってるのか聞かせてみよう。
天と地ほど話し変わっていて、無い事無い事言いふらされて、大被害とストーカー被害と「身体を要求され続けた」「金銭まで要求された」「今は亡き姫の地位まで要求された」な~~~~んて話に書き変わってるだろうから、裁判とか起こされないうちに、爺さんや他のメイドに証拠集めして貰おう。
次は白人というか、キンパツのエルフメイドが来た。
「あの…… 旦那様、着替えをこちらに」
「ああ、俺は自律神経失調症みたいで、広場で雑踏に人の声が聞こえる昼間にちょっと眠れるだけなんで、昼間は寝かせといて下さい。夜は物音一つしただけで目が覚めるんで、ドアガンガン叩いて俺を起こそうとする馬鹿を防いでください」
「ヒイイイイッ!」
俺は何もしていないのに、また被害妄想で逃げだして、勝手に盛大にコケて涙目で睨んで来た。
まずその目付きが不敬で不快だよ。
何でもベッドから寝間着姿の男が起き上ったので、襲われると思って逃げたらしい。
目の下にクマまで作りやがって、俺と一緒で眠れないで幻覚見えてるクチか?
何もないモニターに、ゲームのやり過ぎで、ドルアーガの塔のメイジが魔法出す所見えてんのか?
エレベータの籠の中で、ボタンの前で立ちすくんで男の乗客睨みつけて、動かないで踏ん張って睨んで、「六階お願いします」と言われても完全無視して睨んで来る奴。
もう襲われる寸前みたいに泣き叫んで「ボタン押すからどけ」と頭貼り倒される系の女。
今からそこに駐車駐輪するからどいてくれ、と言っても言葉も言語も一切通じず、駐車場所に居座って涙目で睨み返し「自分が襲われる」としか考えられない、短肢症で足半分ぐらいの長さで、眉毛繋がった亀有の両さんさんみたいな女。
王様、一体どんな人選したんだよ? 俺はそんなマニアじゃない。
この手の女は、被害妄想だからこそヤンデレ対応してやり、バシーンと殴ってから泣いてやって「どうして俺にはこんな愛し方しかできないんだ~~~っ!」とやると、ころっと騙されて「この人には私が付いていてあげなくちゃ」とヤラカシてやるのが良いと聞いたことがある。
対応は全て逆切れ「お前、こんなに肌放り出して、他の男誘ってんのかよ?」とやると「愛されてるぅ」みたいに思うし、職場まで後付けてきたら「お前、家のことぐらいちゃんとやれねえのかよっ? 旦那が外で働いてる間、女房子供が家にいなかったらどうすんだっ!」と言ってやると「旦那? 女房子供? 愛されてるぅ」と思うらしい。
普通に対応したり付き合ったりすると、嫉妬させるために浮気し放題で、自分が愛される位置になるために、あらゆる所有物を捨てられ、「やっぱりアタシが一番~」みたいなメンヘラリスカ女らしいから地雷認定。
もうこいつとは会話しない。体も変で顔も悪い。
三人目はやたらショートカットのダークエルフ。元兵士か騎士で、メイド服の似合わない事似合わない事。
ガッツィーな感じでガタイも良くて、海兵隊カットでオリーブドラブのTシャツと軍服の下履いて、ミリタリーブーツ履いてサングラスかけさせるとるとメッチャ似合いそう。
それか両手グーで握ってる所に槍持たせて、鉄兜被せて全身鎧、手甲に足元も鎧。剣持たせて片手に盾持たせるのも可。
顔に傷付いてないけど、顔とか胸板にクマとか魔獣の爪痕とかあると、それもめっさ似合いそう。
ちょっと筋肉ダルマ系で、腹筋六個ぐらいに割れてる感じで、「キレてるっ、キレてるっ!」とか「肩に小っちゃい重機乗せてんのか~い?」と声掛けしてしまいそうだ。
「クソッ、俺様に命令するんじゃねえっ! 人間如きがっ! 俺様に命令してもいいのは姫様だけだっ!」
「あっ、そう」
最初から「お願い」聞く態度すら見せないので切った。
「じゃあ、最初で最後の命令な、「出て行け」二度と家の敷居またぐな、以上」
「ちょっと待てっ、俺達には行き先が無いのに、追い出すつもりか……」
「そうだ」
「…………」
絶句したようだが、外見で見ると去年までは幼馴染の男の友達だったはずが、今年は骨盤とケツがデカくなっててフトモモもぶっとくなって「俺、本当は女だったんだ」とか言いそうな系統の奴が「どっちか調べてみる?」とも言わないで、涙目で引き下がった。
「くっ、殺せっ!」
最初のダークエルフが出て来て、軍人系の女を庇おうとした。コイツラ知り合いか?
「お待ち下さいっ、この者にはわたくしから言い聞かせておきますので、追い出したりなさらないでくださいっ」
四人目もダークエルフ。やたら所作が綺麗で、仕事してた奴の手じゃねえ、労働者ですらない貴族。
「お止め下さい姫様っ、このような男に頭を下げるなどっ」
「その通りですっ、我が国を守れなかった人間などに……」
また「あんたが大将なんだから、出て行っちゃだめだっ!」的な、谷垣(ハニがき)さんが加藤の乱のときに大将押さえて本会議場に送り出さないようにしてた時みたいな、安っっすい三文芝居見せられた。
オイ、王様っ! 最近滅びたばっかりのエルフ王国の姫様と、家臣団全員俺のとこに送り込むんじゃねえっ?
夜の使用できないじゃねえかっ? やたら礼儀正しい姫様と「その汚い手を姫様から離せっ、人間っ!」の女騎士か従妹ぐらいの姫騎士と、騎士団から護衛に来て、最後の最期まで姫様警護して来た騎士隊の若いの、全員勢ぞろいじゃねえかよっ!
まさか騎士隊の奴も、背中に矢傷大量で半死半生、「姫様…… 私を置いて先に逃げて下さい……」「貴方を置いてなど行けませんっ、死ぬ時は一緒ですっ!」とか逃避行とか撤退戦やらかしてないだろうなあ?
「あの辛い時も皆一緒だったのですっ! 貴方だけを放り出したりなどしませんっ!」
あ~あ、姫様泣いちゃったよ。夜伽とか命じられたら、両手で口押さえて「ぐううううっ!」とか泣いて、犯されたりしたら翌朝まで泣いてそうだよ。
その前に「その汚い手を姫様から離せっ、人間っ!」の姫騎士が犠牲になって犯されるか、騎士隊の若いのが「好きにしろ」と言って体投げだして、一声も泣かないで悲鳴も上げず、マグロみたいな女犯しても面白くも何も無くて、翌朝姫の胸の中で泣くんだろうなあ。
俺にソンナ壮絶なレイプ趣味はねえっ!
「あ、お任せします」
「はい」
俺は爺さんに丸投げして、ダークエルフメイドがオイオイ泣いているのを見ていられず逃げた。
シンジくんみたいに「逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ」とも言わないで逃げた。
忘れ物だ、矢傷だけでも治して行こう。
「お前、背中に矢傷はあるか?」
「何故それをっ?」
「パーフェクトヒール」
「ああっ、肉を裂いて無理矢理矢を抜いて、焼いて止血した酷い傷が消えたっ!」
「あれだけ酷かった傷までっ? これでお前も今日から背中を下にして眠れるなっ」
「姫様っ、姫様ああああっ!」
俺はそんな三文芝居で泣かないぞっ、アレ? 目から汁が、年末年始も盆もゴールデンウィークまで働いてた現場猫みたいに、目から黄色い汁が?
その後、俺は奇跡的に眠れた。
姫様の苦しい撤退戦で、次々に護衛兵士が討ち取られる中、女騎士だけが付き添って、背中に矢傷を負いながらも、どうにかこの王国騎士に救われて逃げ込んだ悪夢は見せられたが、八時間近く眠れた。
「昨夜は眠れたご様子、宜しかったですな」
「ああ、助かった」
王様に、夜用のダークエルフメイドを貰ったはずが、姫様とか姫騎士とか女騎士で、安っっすい三文芝居見せられたけど、その代わりにグッスリ眠れたでゴザルの巻。
何かやりたくないクエストが生えた気がするが、多分「ダークエルフの王国を滅ぼした、七魔将とその軍団を討て」的なクエストが掲示板に掛かっているような気がする。
王様、僕を騙したな? 僕の信頼を裏切ったんだっ! とか、またアムロ君みたいなセリフを言ってみるテスト。
まあ俺が討伐に行かなくなったから、パワーバランス崩れて七魔将の兵団が突出して来たんだろう。
マッチポンプじゃなくて、活動限界過ぎてたから勘弁してくれ。
そうしていると、昨日治療してやった女騎士が、爺さんの勧めでコーヒーカップ持たされて、ちょっと顔赤らめながら俺の前までやって来た。
「そ、その、悪かったな、治療までして貰って……」
ウン、多少デレてくれた模様。
「ああ、他は矢傷とか刀傷受けた奴はいないか?」
「え? ああ……」
ギャップ萌えというか、ガタイが良くてガッツィーな若い女が、顔赤らめて多少デレて、背中全面見せてくれて、手ブラでパッツンパッツンの乳を隠しながら、尻の方まで全部見せてくれた。
嫌な顔しないでおパンツの下も、ケツもフトモモまで見せてくれた。
それからは姫様だけは肌を見るのは許されなかったが、王家でも治療できなかったのか、跡が残るような傷を探して、他の女は傷を探しては治療して行った。
姫様は衝立越しで治療した。
何やら多少は打ちとけて、テーブルとコーヒーとかケーキでも囲んで、「ウフフフフ」とか「アハハハハ」なんてキャッキャウフフなお茶会を楽しめた。
「オイッ! 見付けたぞっ、偽勇者っ! 出て来いっ!」
「勝手に七魔将倒して置いて、俺達が解雇されるとはどういうことだっ?」
「出て来いっ、偽勇者っ!」
またアタマオカシイのがドアガンガン叩き始めた。
昨日は眠れたからこれは幻覚じゃない。
七魔将タナトス倒した時は、「俺の娘が熱出したから」って奴らは幻覚か幻聴だったらしい。
ギルドマスターとナベワタだけは本物。
「はい、どなた様で?」
仕方ないので爺さんが応対。騎士の若い奴に対応させて、問答無用で殴り倒しても良かったのに。
「我らは勇者であるっ! 先日まで王家で雇用されていたのだが、ここにいる偽勇者がタナトスを倒してしまってな。我らの功績を盗んだ奴を出して貰おうかっ?」
「そうだそうだっ、倒せる実力も無いくせに、我らの功績盗むとは不届き千万っ、打ち倒して思い知らせてやろうぞっ!」
オマエラその七魔将を倒せずに「逃げた」から解雇されたの。
討伐現場で戦場から逃亡しておいて、よく殺されずに済んだよなあ? 普通の護衛の冒険者じゃないんだぞ?
護衛失敗して「あれだけの数だ、多勢に無勢。冒険者なんか命あっての物種、逃げるしかねえだろう」の頃の癖が残ってたか?
王国も今後の働きやら修行に期待するってとこか? でないと衛兵眠らされて殺されるところ見ておいて逃げた臆病者、雇い続ける方がおかしいって気付かないか?
「出て来~~~~いっ!」
「アンドロメダ・マゼランセイウン・エクスキューションッ!」
「シャープネス・アルハラ・ダンシングッ!」
俺だけではなく、騎士の若いのも勇者?にフィニッシュブローを叩き込んで、俺の方に向かってサムアップした。
さらに姫騎士も参加して、爺さんも七色の糸を放って勇者?達を倒し、二度とデカい口きけないように、膝と肘を逆方向に折り曲げてやり、冒険者としても二度とやっていけない体に加工してやった。
肘と膝逆に折り曲げられると、パーフェクトヒールでないと助からない。
レベル80かせいぜい90ぐらいのゴミが勇者気取りかよ? 俺ぐらいレベル300とか400ぐらい上げてから出直して来い。
「は? わたくしは今年で45歳ですよ」
「俺は35歳」
後でダークエルフ達の経歴聞いたら、全員35歳以上で合法ロリババア。
外見は人間換算だと15,6歳。若いのだと13歳ぐらいだが、40歳とか35歳なんか初潮初まってない年齢で、アソコに毛も生えていない年らしいが、乳とケツだけはパッツンパッツンだった。
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