第6話 手柄の争奪戦開始

 家の周りブラ付いて、七魔将の軍団に荒らされて、火の海にされたり略奪されまくってるのを解除して行く。


『何もんだコラッ、死にやがれっ!』


『エリアサンダーブラストッ!」


 威勢が良さそうなゲイオークを追尾型の魔法で血祭りに上げ、ジュール熱で神経まで焼いてやって、じたばた暴れてるのも笑顔で殺して行く。


 上に乗っかってるのは下にいる奴も巻き添えにしてしまうが、単独でドアガンガン蹴って壊そうとしているのは即処刑。


 城砦壊して侵入した奴は二千匹ぐらいだったのか、30分も回ると掃除できた。


 さて? 城外は?



『人間だっ、死ねやコラッ!』


「サンダーブラスト」


 目とか口からも雷吐かせてやり、タップリ死のダンスを踊らせてやった。


『者どもっ、出会えっ!』


 桃太郎侍の御家人か、ギャラクター基地ぐらい多人数で出て来たので大殺陣(おおだて)になり、罪がある御家人?を50匹ばかり始末してやった。


『野郎っ!』


 まだゾロゾロ出てくるので、高倉健さんの唐獅子牡丹シリーズみたいにバンバン斬り倒して、障子越えでも魔法で殺して、杉良太郎さんみたいに流し目で殺した。


「よくも薬郎を殺しやがったな? 許せねえ許せねえ」


 破れ傘刀舟か破れ奉行、長崎犯科帳レベルで殺しまくり、田中邦衛さんみたいに医療用メス投げてSATUSUGAI。


 コマンドーかランボーシリーズのボディカウントも超えて、チャーリーシーンのホットショットのカウントも超えた。


 この城砦を攻め落とすのに、大小五千匹ぐらいは動員して来たみたいだけど、範囲攻撃でほぼ全滅させてやった。



『よくも配下の手下を殺してくれたね? 私は七魔将タナトス。我が赤き眠りと深き死を、とくと味わうがいい』


「何いいいいいいっ?」


 上半身は人間的な感じで、下半身が蛇系統でデカイ、ラミアみたいな魔物が俺を眠らせてくれると言った。


 まさか眠れるのか? いや、眠らせてくれるなら殺されてもいい。


『あははははははははっ! 我が必殺の眠りの呪いを受けよっ!』


 ああ、ついに眠れるんだ。俺の上には大天使が舞い降り、まるで攻殻で人形使いと少佐が融合する時みたいに、祝福された眠りが与えられた。


 例の、バトーが「素子~~~~~っ!」と叫んで、手で庇っても狙撃されて脳核を破壊されるシーン。



「…………あれ?」


 眠れない…… 必殺の赤き眠りで、呪いとまで言ったのに眠れない。


『エ……?』


 七魔将のタナトスでも、俺が眠らないのには驚いたらしい。


『ど、どうして眠らない? 全員一発で掛かって、100パー寝るのが普通なのに?』


 周囲にも眠らされてから殺されたような衛兵達が転がっている。


「騙したな?」


『そんな馬鹿なっ?』


「僕を裏切ったなっ? 僕を騙したんだっ!」


 何かアムロ君みたいなセリフを言って、特別な呪いで眠らせてくれると言ったくせに、眠れなかった事に抗議してみる。


『眠れっ! 眠れええええっ!』


「そんなもんで寝られるかよっ、自律神経失調症舐めんなっ!」


 期待した俺が馬鹿だった。タナトスの赤き眠りとかは誇大広告だった。


『眠れ~~~~~~~~っ!』


「クソがああああっ! この俺を眠らせてみろ~~~~~~っ!」


 最大加速を付けて、荒木調でデコ出しして走り、セル画で髪の毛が左右に分かれ、那由他の距離を聖闘士走りで駆け抜けた。


 手を後ろに下げるNARUTO走りか、バトルアスリーテス大運動会の「天然」の母親みたいな走り方をした、俺の怒りの鉄拳を受けたタナトスは、光の速さで胸を貫通された。


『ぐはあああっ!』


 次の城砦まで飛んで行きそうだったが、どうにか堪えて戻ってみる。


『くそうっ、修復だっ、無限の修復能力を持つこの私が、この程度でやられたりはせんっ!』


 無限修復のスキル持ちだそうだが、七つの世界が同時に収束して行き、別次元で別の時空泡が一か所に集まり、俺に観測されてしまったので原子が重複して、量子論的大爆発を起こした。


『ぎゃあああああああっ!』


 七魔将タナトスは滅びた。


 さらに中心部が重力崩壊したのか、事象の水平線が開いてグルングルン回転し始めて、降着円盤が周囲のガスを吸いこんでいく。


 ジャイロ効果で安定したのか、上下方向にジェットを吹き出し、原子以下の「ひも」に分解されて消失し、マイクロブラックホールも蒸発して、周囲を汚染してから消えて行った。


 ついでに一万匹ぐらいいた敵の死体も消えて行った。


 グーパンだけでイったので、クエイク3アリーナみたいに、七魔将を拳で殺した実績が解除された。



 翌朝


「眠れない……」


 タナトスをシバいて滅ぼしても、神経が高ぶって眠れない。


 街の郊外では、重力崩壊とか事象の水平線とか、降着円盤とかマイクロブラックホールの影響で、大穴が空いて地獄の蓋が開いたみたいになっていたが、平面世界の時空管理局が仕事したのか修復されて、放射線で汚染された土壌も回収されて埋め戻されていた。らしい。


 執事の爺さんが朝のコーヒー入れてくれたので飲んでいると、また領主家とか王家が馬車繰り出して来た。


 いつも通りドアガンガン叩いてから告知された。


「告、0500、七魔将を討伐したとされる人物を王都に召喚致すっ! 即座に正装して王都へと出立するっ。直ちに身なりを整えよっ!」


 こちらもいつも通り「首に縄付けてでも引っ立てて来いっ!」と言われている連中が、情け容赦なくドアを叩く。


 もうやめてっ、家のドアのライフはゼロよっ! 次回、城之内死す。



「ええと? 主人は昨夜から眠れておらず、これから寝ようとしている所でございます、どうかご容赦を」


「引っ立て~~~~いっ!」


「サイボルテッカッ・クロスカウント・アイバシンヤアタックッ!」


 今日もテッカマンブレードか、テッカマンエビルがブラスター化したような、キツ目のフィニッシュブローを炸裂させ、衛兵隊長だか騎士団長を倒し、肉の塊に変えてやった。


 誰か治療呪文が得意な奴でも帯同しているだろう。



 それでも武官だとか文官だとか参謀とかが部屋に雪崩れ込んで「引っ立て~~~~いっ!」と繰り返したので、全員フィニッシュブローで倒してやったが、王家の紋章付けた馬車まで来てしまい、どうにかして荷馬車に乗せられてドナドナされて行った。


 ウン、この際引っ越しもしよう。



 文字通り首に縄掛けられて、シマシマの囚人服で拘束具で引っ立てられた俺。


 そのまま王の前に、拘束衣のまま小便垂れ流しでオムツ無しで、トイレ休憩なしで手枷足枷魔封じの首枷付けられて、五時間かけて王都に連行された。


 抵抗したので。もう少しでアイアンメイデン的な拘束具か、ファラリスの雄牛みたいなのにブチ込まれる所だった。



「あの者を指揮監督して従わせ、討伐を命令したのもわたくしであります。あの者は素行や勤務態度に問題があり過ぎ、わたくしのスケジュール管理が無ければ、決して七魔将討伐など行えなかったでしょう」


「左様です、この私の命令無くしては、七魔将討伐など、絶対に行えなかったのです」


 相も変わらずギルドマスターとナベワタが先着していて、王の前で言上をしていた。


「うむ? お前達が何か関与したと言いたいのか?」


「その通りであります、このわたくしがあの者を指導育成して、育て上げたと言っても過言ではありません」


「私が勤務を交代してやり、欠勤時でも出勤扱いにしておらねば、あいつの首は早々に斬られていたと思われます」



 そこで俺様、拘束衣で首枷足枷手枷付きで裸足で入場。


「そ、そのなりは何だっ? 救国の英雄なのだぞっ? 七魔将を倒せた人類で初めての勇者なのだぞっ?」


 救国の英雄が、拘束具バリバリに付けられ、首枷足枷手枷五速フル装備で連行されて来るのは「予想外です」だったのか、王家一同も驚愕した。


「はっ、連行しようとした所「眠る所だ」などとホザいて抵抗したため、やむなく首に縄掛けて連行した次第でありますっ!」


 脳筋の衛兵長だか何だかは、得意気に発言して敬礼をした。


「殺せっ! 俺に不満があるんだろっ? 殺せええええええっ!」


 大歓迎するつもりだったのか? 余りの惨状に国王まで泣いてしまい、大臣とか将軍も駆け寄って俺の拘束具を外し、魔封じの首枷足枷手枷に足の重りまで撤去してくれた。


 衛兵長は即座に連行されて行って、処刑でもされた、らしい。



「済まなかった。救国の英雄に何と言う事を…… 謝罪のしようもない」


 俺は倒れたまま何も答えなかった。もう処刑でも何でもしろや。


 眠れないから幻覚でも見えるのか、これが現実で事実なのかすら判断できない。


「国王が話しかけておるのだぞ? 不敬ではないかっ? 表彰や感状に対して感謝し、身を正して跪いて感謝の言葉を述べよっ!」


 無言を貫いていると、俺は担架で運ばれて着替えさせられ、再度王の前に連行された。



「ようやく七魔将の一人を倒せたのだな、感謝の言葉も無い。其方は救国の英雄だ。但し、街が破壊されるまで冒険者が出動しなかった事には、恨み言を言わせて貰うぞ」


「もう冒険者は辞めました。休みが全く貰えずにあちこちに送られたので、移動中以外眠るのも許され無かったので辞表出して辞めました。手柄も報酬も全部こいつらに取り上げられて、受付嬢に魅了の魔法掛けられ続けて、自律神経失調症になって眠れなくされたので辞めました」


「なんと……」


「そんな馬鹿な……」


 周囲の側近も絶句。救国の英雄だか勇者は拘束衣のまま小便タイムも貰えず引っ立てられ、文字通り首に縄掛けられて馬車に押し込まれ、拘束されたまま運搬された。



「この者が言っているのは嘘であります。わたくしの指導無くしては、七魔将討伐など有り得なかったのであります」


「全くその通り、私共の命令や交代が無ければ、七魔将討伐などは決して起こり得なかったのです」


「その腐った口を開くのを止めよっ、恥知らず共がっ!」


「ホラ、お前がふざけた事ばかり言うから、国王陛下に怒られたじゃないか?」


「ウンウン、余りふざけたことを言うもんじゃないよ? 陛下からの信頼なんか絶対に得られない奴が、何言っても無駄だよ、プゲラ」


「殺せええええっ! 国家安全保障上っ、七魔将を倒した奴など存在が許されるはずもないっ、今すぐ殺せえええええええええっ!」


 通常魔王まで倒せたら、即言い掛かりをつけられて処刑される勇者だが、一人目を倒したばかりなので必要とされたのかも知れない。 


 この後は王家の美形の若くて綺麗な連中が、勇者聖女賢者として祭り上げられ、街でパレードでもしてから、俺は牢屋入りで処刑されるのだろう。



「もう許してくれ、其方は間違っておらぬ、間違っているのはこの国だ」


 国王までが頭を下げ、大臣の一部と将軍の一部だけが俺を助命嘆願したが、大半の大臣や貴族は、王への不敬を言い訳にして処刑を命じた。


「魔王まで討伐したら即処刑だろうっ? 今すぐに殺せえええっ! 俺を眠らせられる物なら眠らせて見せろおおおおおっ!」


 その後も王に向かって「殺せ」と叫び続けた俺は、謁見中止になって控室で軟禁された。


 どういう流れなのか? 七魔将討伐はあの場で冷静だった、ギルドマスターとナベワタの手柄になって、周囲の貴族からの推薦で叙爵されて出世したらしい。


 王がどれだけ俺を庇おうとしても無視され、けもフレ的に手柄の争奪戦になって、俺は貴族に嫌われたので、たつき監督みたいに真っ先に排除された模様。


 予想通り貴族家や王家の見目麗しい者が選抜され、王都でパレードもして、七魔将討伐を高らかに歌い上げて凱旋したそうだ。


 手柄は王家貴族各家で案分され、昇爵なども行われた模様。


 たつき監督の次回作の間裏に、けもフレⅡが放送されたぐらいの扱い。



 頭が冷えた頃、国王に私室に呼び出され、貴族家に内密に報酬が与えられた。


 王都に屋敷を貰えて、使用人とか維持費の金貨も貰えた。


「今の儂にはこの程度しか出してやれぬ。手柄は奪い合いになってな、上位貴族共が独占した。あの場にいた馬鹿者にまで口止めに叙爵が行われたほど酷いことになってしまった」


「眠れないのでもう殺して下さい」


 王様も俺に同情したのか、泣いて詫びてくれた。


「他にも欲しい物があれば何でも言ってくれ」


「はあ、エルフメイドとか奴隷なんかを頂ければ」


 リクエストすると、パッツンパッツンのダークエルフメイドとか、貧乳エルフメイドなんかも貰えた。


 わざわざ「新品未使用」と指定すると、その通りのが来たが、顔は良くて性格悪すぎるのか、顔は悪いが人柄が良いのかが来た。


 AKBか柊坂みたいな、人間換算すると15,6の、水着グラビアに出そうなのが来たが、頭悪すぎて反ワクチンとか、エコでロハスでビーガンな、大分おかしくて足りないのが来た。


 執事で家令はいるのでノーサンキュー。

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