「なんでいつも来るんだ」
「なんでいつも来るんだ」
「薫に復活してほしいから。それ以外ある?」
「右手がダメだろうが!」
「じゃあ左手でとか思わないの?
「続木さんは三歳のとき三輪車であぜ道に落ちて右手を傷めて左で投げだしたんだ! あとの二人も子供のときから左で練習してただろ!」
「実際薫は左で試したの!?」
「キャッチャーに届いたり届かなかったりだよ! もういいだろ帰れ!」
ヴィッキーもヒートアップし、
「もっと練習しなよ!! 女装似合ってないよ!! 自分でかわいいと思ってんの!?」
「簡単に言うな!! 女装はいいだろ!! 母さんはかわいいって言ってくれるわい!!」
「言い訳だらけの減らず口!!」
「お前が減らず口だ!!」
「バカーッ!!」
「わっ、スッポン投げんな!」
飛んでいったスッポンが、ちょうど間に入ろうとしていたアンディの側頭部にパコッ……と張り付いた。
「あ、ごめんお兄ちゃん……」
「――フッフッフ、『男女の喧嘩はセックスのメタファー』と言われるが、今の薫とヴィッキーは一流AVにも負けぬ美的光景だったよ」
「さすがにキモいよお兄ちゃん(ヴィッキー)」
「薫。よくわかったよ気持ちが。こんなに語り合えて懐かしいよ。だがなお我々はきみと対決したい」
「なんでそこまで……(薫)」
「ライバルだからさ」
「……」
「今日は失礼する。おみやげはAVのDVDを五万本だ」
「いらん」
「そうかい」
スッポンを外し、メガネをクイッとするアンディ。彼も妹と同じでさらに野球の力をつけたように見える。
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