タイムマシンの使い方。

第1話

ある富豪の青年。タイムマシンを手に入れて熱中している。富豪仲間の皆も彼と会う時は、そのことをほめたり、うらやんだりする。そのタイムマシンに乗って、破滅的な事故や事件を防いだりする。

ほめそやす仲間たちだったが影での態度は違っていた。

「あいつまだあんなものばっかりやって」

「どうして、現実と向き合えないのかなあ」

その富豪の仲間たちに新しくはいった若い女性が尋ねる。

「どうしてそんなに彼のことを悪くいうんですか？人が何に熱中仕様が勝手ではありませんか、あなた方だって、メタバースに没頭しておられるでしょう」

「ああ、君にはくわしくいってなかったね」

リーダー格の男が疑問を引き取り話し出した。

「よくいうだろう、タイムパラドクスとかなんとか、だがそんなものはないんだ、タイムマシンはいつだって過去にもどり、過去の選択を“無意識から”変える事ができる、“向こう側”は今存在する過去とは違う次元だから、パラドクスは存在しない、それに干渉できる領域も定まっているらしい、だから彼はよくそうするんだが、それが問題なんだ」

「何でですの？」

「確かに彼はいい選択をするさ、過去をかきかえ、人の幸運のために良い事をしたり、自分の間違いを正したりする」

「まあ、すばらしいじゃありませんか」

「だが、過去の選択を選びなおせるという事はどういう事か？奴は、奴の性格はすっぽりはまってしまった、彼は、自己改善せず、選択肢を変えない、自己改善しないから過去にしか相手にされないんだ、過去を書き換える事はするが、プライドが高くて、現在での反省を改善することがない男なんだ、奴にとってタイムマシンはよりよいマシンだが」